ターマック

ターマック：タール舗装とその歴史、用途

ターマック (Tarmac) は、砕石などの骨材にタールを混ぜ込み、固めて造られた舗装、あるいはその路面を指します。別名、タルマック、タールマクとも呼ばれます。Tarmacは商標名であり、一般名称はタールマカダム (tarmacadam) です。マカダムとは、砕石を圧縮固めただけの舗装を指します。

ターマックの施工方法

ターマックの施工は、まず砂利や砕石などの骨材を敷き詰め、転圧機でしっかりと圧縮します。その後、タールを骨材に浸透させ、乾燥させて固めることで舗装が完成します。比較的容易な施工方法が特徴です。

ターマックの歴史

古くから用いられてきた舗装方法ですが、1901年にはアメリカで特許を取得。その後、発明者たちが設立した舗装会社の名前にもなりました。アメリカではコンクリート舗装が主流であるため、現在でもアスファルト舗装を含めた総称として「ターマック」という用語が使われることがあります。

ターマックの特徴と現在の用途

耐久性や機能面ではアスファルト舗装やコンクリート舗装に劣るため、一般車道にはあまり使用されません。しかし、施工の容易さから、簡易舗装や道路の応急修理などには今でも利用されています。

モータースポーツにおけるターマック

モータースポーツの世界では、「ターマック」は、ダートやグラベル（未舗装路面）と対比して用いられる、舗装路面を表す用語として広く使われています。ラリー競技では、コース全体が舗装されていることを「フルターマック」と表現します。サーキットにおいても、路面がアスファルトなどの舗装されている場合に、ターマックと呼ばれることがありますが、サーキット用語では、グラベルはコース内の未舗装部分、ダートはコース自体が未舗装である場合を指すため、区別されます。

ターマックとアスファルト舗装の違い

ターマックとアスファルト舗装はどちらも舗装の種類ですが、主な違いは結合材にあります。ターマックはタールを、アスファルト舗装はアスファルトセメントを結合材として使用します。アスファルトセメントはタールよりも耐候性、耐久性に優れるため、現在ではアスファルト舗装が主流となっています。

まとめ

ターマックは、歴史的に重要な舗装方法であり、現在でも簡易舗装や応急修理などで利用されています。モータースポーツの世界では、舗装路面を指す一般的な用語として定着しており、ダートやグラベルと対照的に使われます。アスファルト舗装に比べて耐久性や機能性に劣る点が挙げられますが、その施工の容易さは今もなお活用される理由となっています。将来的には、より耐久性が高く、環境にも配慮した舗装材が開発・普及していくことが予想されますが、ターマックの歴史的背景や、簡易舗装における利便性から、完全に姿を消すことは当面ないでしょう。

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