アスガルド (企業)

株式会社アスガルド

株式会社アスガルドは、かつて日本のコンテンツ制作業界において活動していた企業です。主に女性をターゲットとしたコンテンツの企画・制作や、スタジオ運営といった事業を展開していました。後年には株式会社アエリアの子会社として運営されていました。

沿革

アスガルドの歴史は、1997年12月1日に有限会社として幕を開けました。設立当初は株式会社ウィルの系列会社として、名古屋に拠点を置いていました。

事業の拡大に伴い、2005年2月には通販ショップ「アキバブックス」を開店。同年8月には、LadybugレーベルからドラマCDを発売するなど、コンテンツ制作事業を本格化させます。

2006年に入ると、通販事業は「Games PiPi」と「アキバブックス」を統合し、「ぷらてぃあ」として再スタートしました。また、この年にはL-Fieldレーベルから女性向けゲーム「乙女的恋革命★ラブレボ!!～First Stage～」が発売され、人気を博しました。

2007年4月には、honeybeeレーベルから「羊でおやすみシリーズ」の第一弾がリリースされ、以降、同シリーズは同社の代表的なコンテンツの一つとなります。

事業の成長は組織体制にも変化をもたらしました。2008年、有限会社から株式会社へと組織変更を行い、本社を名古屋から東京へ移転。名古屋は支社として存続しました。この時期には、PC移植版のゲームとして「乙女的恋革命★ラブレボ!!」（Planpeaceレーベル）や「I/O revisionⅡ」（ASGARDレーベル）なども発売されています。

2009年には、パートナーブランドとして「Loco*un」が加わり、コンテンツのラインナップをさらに拡充。florite.レーベルからの「オルタナ」や、BlackButterflyレーベルからの「Dolly Oriental」などがリリースされました。

2010年4月には、自社を発売元とするPlayStation 2用ソフト「ラブルートゼロ KissKiss☆ラビリンス」を発売。同年8月には、親会社であった株式会社ウィルを吸収合併し、株式会社アスガルドが権利業務を全て継承する形となりました（いわゆる親子逆さ合併）。しかし、これに伴い新たな会社として株式会社ウィルプラスが設立されています。

この年には事業の選択と集中も進められ、10月末をもって通販事業の「ぷらてぃあ」および「Pratia feminine」の業務を終了しました。

2011年以降もコンテンツ制作は続けられ、2011年7月にはBOOST ONレーベルから「世界でいちばんNGな恋 ふるはうす」が発売されています。

一方で、本業とは異なる事業からの撤退も行われました。2012年には、ゴルフ用品店であるFULL SHOT事業を澤野ニット商事株式会社へ譲渡しています。

2015年10月、株式交換によって株式会社アエリアの完全子会社となり、アエリアグループの一員として活動することになります。

しかし、グループ内での再編が進み、2018年11月には一部事業がアエリアグループのアリスマティック株式会社へ承継されました。

そして、2019年1月4日に開催された株主総会での決議に基づき、会社は解散する運びとなりました。

事業内容

アスガルドは多岐にわたる事業を手がけていましたが、その中核をなしていたのは以下の通りです。

コンテンツ制作

主に女性向けのゲームやドラマCDなどを企画・制作していました。多様なレーベルを展開し、それぞれのコンセプトに沿ったコンテンツを世に送り出していました。

女性向けCDレーベル: honeybee, BlackButterfly, L-Field, bisCROWN, Maniaque's
BLCDレーベル: florite., Ladybug
コンシューマゲームレーベル: BOOST ON, Blue Moon, Plan Peace
PCゲームレーベル: Planpeace, ASGARD
スマートフォンアプリ: らぶつん (bisCROWN), モノノ怪が～でぃあん (BOOST ON)

代表的なタイトルには、「乙女的恋革命★ラブレボ!!」、「羊でおやすみシリーズ」、「Solomon's Ringシリーズ」などがあります。

スタジオ運営

自社スタジオを運営し、レコーディングや収録業務を行っていました。

ASGARD Studio
Ast
Bst

通販事業

過去には自社コンテンツを中心とした通販サイトを運営していましたが、2010年に事業を終了しています。

ぷらてぃあ
Pratia feminine

パートナーブランド

協力関係にあるブランドのコンテンツを取り扱っていました。

Loco**un

株式会社アスガルドは、約20年間の活動期間において、特に女性向けコンテンツ市場で存在感を示し、様々な作品を世に送り出しましたが、最終的にその歴史に幕を下ろしました。

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