アスミビルダーズ

アスミビルダーズは、日本野球連盟に加盟する社会人野球の企業チームです。本拠地は兵庫県に置かれています。このチームは、神戸市須磨区に本社を構える総合建設業、関西タクト株式会社（アスミホールディングスグループ傘下）が母体となり運営されています。企業チームとして、地域社会に貢献すると同時に、野球を通じて高いレベルを目指す活動を展開しています。

創設の背景と理念

チームは2020年 1月18日に正式に創部されました。アスミビルダーズの設立における最も特徴的な点は、「仕事と野球、二つの夢の実現」というユニークな理念を掲げていることです。これは、母体企業である関西タクト株式会社が、企業の社会的責任の一環として、また人材育成と採用活動の一環としてチームを位置づけているためです。チームに所属する選手や指導者全員が、野球の練習や試合がない時間には、関西タクト株式会社またはその関連会社の正社員としてそれぞれの部署で勤務しています。この体制により、選手たちは野球選手としての競技生活だけでなく、社会人としての安定したキャリアパスも同時に構築することが可能となっています。

チームの歩み

創部初年度の2020年、アスミビルダーズはクラブチームとして日本野球連盟に正式加盟しました。チームの初代監督には、プロ野球界で豊富な経験を持つ斉藤秀光氏が就任し、創設期のチームの基盤作りを担いました。チームは始動後間もないながらも、その年の兵庫県知事杯争奪社会人・大学野球大会で早くも優勝を果たすなど、その実力を示しました。

翌2021年には、チームの組織体制をより強固なものとするため、日本野球連盟への登録をクラブチームから企業チームへと変更しました。これは、社会人野球における活動の幅を広げ、さらなるレベルアップを目指すための重要なステップでした。

2022年には、社会人野球における主要大会の一つである都市対抗野球大会の近畿二次予選に創部以来初めて進出するなど、着実にチーム力を向上させていることを証明しました。また、同年の日本選手権大会の近畿地区最終予選では、本戦出場まであと一勝というところまで迫る善戦を見せ、全国大会出場への期待を高めました。

2023年には、チーム名称が「神戸ビルダーズ」から現在の「アスミビルダーズ」へと改称されました。この年、阪神タイガースでコーチを務めた経験のある藤井康雄氏が新たにコーチとしてチームに加わり、特に打撃部門を中心に指導体制が強化されました。

チームを支える元プロ野球選手たち

アスミビルダーズは、創部当初からプロ野球でのプレー経験や指導経験を持つ人材をチームに積極的に招聘しています。初代監督の斉藤秀光氏は、オリックス、阪神、楽天、ソフトバンク、横浜と、多くの球団で投手として活躍した経験を持ち、その手腕でチームを牽引しました（※2024年までに退団）。

2023年からは、オリックスで長年にわたり主軸打者として活躍した藤井康雄氏がコーチとしてチームに加わりました。藤井コーチは、その豊富な打撃理論と経験を選手たちに伝え、チーム全体の打撃力向上に貢献しています。

さらに、2024年には、千葉ロッテマリーンズやNPBファームリーグに参加するくふうハヤテベンチャーズ静岡で捕手としてプレーした谷川唯人選手が入団しました。プロの舞台を知る谷川選手の加入は、チームの捕手陣強化だけでなく、若い選手たちにとってプロレベルの基準を肌で感じる貴重な機会となっています。このように、元プロ野球選手たちの存在は、チームの技術レベル向上と精神面での成長に大きく貢献しています。

注目の選手たち

チームには、将来が期待される選手や独立リーグでの経験を持つ選手も所属しており、チームの原動力となっています。外野手として活躍する山本仁選手は、プロ野球の横浜DeNAベイスターズで正捕手として活躍する山本祐大選手の実弟としても知られており、兄弟ともに野球界でのさらなる飛躍を目指しています。また、内野手の吉田翼選手は、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスや香川オリーブガイナーズといった独立リーグでのプレー経験を持っており、そこで培った経験をアスミビルダーズに還元しています。過去には、同じく独立リーグ出身の捕手、茨木智也選手もチームに在籍し、戦力として貢献しました。

結び

アスミビルダーズは、仕事と野球という二つの道を追求するという独自のスタイルを確立し、社会人野球界において注目すべき存在となっています。母体企業の安定したバックアップに加え、元プロ野球選手による指導、そして意欲あふれる選手たちの融合により、チームは着実に成長を続けています。日本選手権や都市対抗野球といった夢の舞台である全国大会出場を最大の目標に掲げ、兵庫の地から社会人野球界に新たな風を巻き起こすべく、日々挑戦を続けています。

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