アズィーム・ウッダウラ

アズィーム・ウッダウラの生涯と影響

アズィーム・ウッダウラ（Azim ud-Daula）は、1775年に生まれ、1819年に亡くなった南インドのカルナータカ太守です。本名はアブドゥル・アリー・ハーン（Abdu'l Ali Khan）で、彼の名前は歴史的な背景とともに語られます。

太守位の継承

1801年7月15日、アズィーム・ウッダウラの叔父であるウムダトゥル・ウマラーが突然亡くなり、アズィームが太守の地位を継承しました。この急な死は、当時の政治状況を大きく揺るがしました。ウムダトゥル・ウマラーは、治世の間、イギリスとの関係で疑念を持たれており、その急死は暗殺の可能性すらささやかれていました。彼の死は、イギリス側にとっても一つの契機となり、問題解決に向けた動きが始まりました。

イギリスとの条約

ウムダトゥル・ウマラーの死後、同年の7月26日にイギリスはアズィーム・ウッダウラの太守位を承認しましたが、同時に彼に重要な条約、カーナティック条約を締結させました。この条約によって、アズィームは全ての権限と領土をイギリスに委譲することを余儀なくされ、彼はイギリスの保護下での年金受給者となったのです。

この協定による影響は大きく、アズィーム・ウッダウラは譲渡した領土から得られる莫大な歳入の中の一部、つまり全体の5分の1からの収入で生活することになりました。彼の太守としての権威は形骸的なものとなり、実質的な権力はイギリスに移行しました。

最期

アズィーム・ウッダウラは1819年8月2日に亡くなりました。彼の治世を通じて、イギリスとの関係が彼の地位や政権にどのように影響を与えたかは、インドの歴史における重要な一章を形成しています。その後の彼の家系やカルナータカの政治状況にも深く影響を与えたことでしょう。

参考文献

この時代の歴史については、ビパン・チャンドラによる『近代インドの歴史』（山川出版社、2001年）の著作を参考にされることをお勧めします。彼の著作では、アズィーム・ウッダウラを含む南インドの政治的背景やイギリスとの関係について詳しく述べられています。 なお、アズィーム・ウッダウラの治世は、カルナータカ太守としての重要な役割を果たし、当時の歴史的な文脈で評価され続けています。

自らの権限を奪われながらも、政治の中心に居続けたアズィーム・ウッダウラの姿は、当時の権力構造の変化を象徴するものであり、その後のインド史における重要な教訓を提供します。

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