アタテュルク国際空港襲撃事件

アタテュルク国際空港襲撃事件

概要
2016年6月28日、トルコのイスタンブールにあるアタテュルク国際空港がテロ攻撃の標的となりました。この事件は現地時間22時頃、ターミナル2のタクシー乗り場で発生しました。3人の犯人は爆発物が仕込まれた自爆用のジャケットを着用し、手榴弾や自動小銃の弾倉を持っていました。彼らはタクシーで空港に到着したものの、当初はターミナル内で人質を取る計画でした。しかし、厚着の異常性を感知した警察官が職務質問を始めたことから、事態は急変しました。

警察官が一人の犯人に近づいた際、犯人はジャケット内から銃を取り出し発砲。これにより、銃撃戦が引き起こされ、犯人の一人は自爆しました。残る2人は混乱に乗じて出発ロビーの2階に向かい、それぞれ異なる場所で乱射を開始し、最終的には自爆しました。この一連の攻撃は、わずか10分間の間に行われ、結果として48人が死亡し238人が負傷しました。

実行犯の背景
捜査が進む中、実行犯の出身地はロシア、ウズベキスタン、キルギスであることが明らかになりました。彼らは、イラク・シリア・イスラム国（ISIL）が拠点を置くシリア北部のラッカからトルコに入国したとされています。指示役となったのは、ロシア南部北カフカス出身の戦闘員でした。事件後、トルコ当局はイスタンブールで13人、イズミルで9人、合計22人を拘束しました。この中には外国籍の人物も含まれていました。捜査により、犯人たちはイスタンブールのファティ地区に住んでいたことが判明し、警察が現地住民に事情聴取を行ったといいます。

死傷者数と反応
この攻撃によって、犯人も含め48人が命を落とし、負傷者は238人に達しました。死者の半数はトルコ国籍の民間人でした。事件に対する反応は国内外で広がり、トルコのエルドアン大統領は「信仰や価値観に関わらず、テロリズムを許さない」とし、引き続きテロリズムとの戦いに尽力することを表明しました。アメリカのバラク・オバマ大統領も深い哀悼の意を表し、トルコの人々との連帯を強調しました。彼は、全人類に影響を及ぼす憎しみのネットワークを断つための取り組みを続ける意向を示しました。

この事件を受けて、国際社会ではテロリズムに対する警戒が高まり、トルコ政府は国内の安全対策を強化しています。今後も引き続き、テロ対策や国際協力が求められる中で、トルコの状況がどのように変化していくか注目されます。

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