アダム・イェーツ

アダム・イェーツは、1992年8月7日生まれ、イギリス出身の自転車ロードレース選手です。双子の兄であるサイモン・イェーツも同じくプロのロードレース選手として活躍しています。現在はUAEチームエミレーツに所属し、世界各地のレースでその実力を発揮しています。

若手クライマーとしての台頭

アダム・イェーツは、若手時代からその才能を発揮し、有望なクライマーとして注目を集めました。2015年にはUCIランキングで35位と好成績を残し、その実力を証明しました（ちなみに、兄のサイモン・イェーツは36位）。

2015年のクラシカ・サンセバスティアンでは、ワールドツアー初勝利を飾りました。この勝利をきっかけに、アダム・イェーツは更なる高みを目指し、その後の活躍へと繋げていきます。

2016年ツール・ド・フランスでの躍進

2016年シーズン、アダム・イェーツはツール・ド・フランスに出場し、大きな注目を集めます。第7ステージでは、新人賞であるマイヨ・ブラン獲得を目指し、アタックを仕掛けました。

しかし、残り1km地点で、フラム・ルージュ（ゴールまで残り1kmを示すアーチ）が倒壊し、それに激突してしまうという不運に見舞われます。落車により顎を負傷し、一時大きく遅れてしまうも、救済措置が適用され、結果的にマイヨ・ブランを獲得しました。

その後、第19ステージでペナルティを受けるも、総合4位でフィニッシュし、マイヨ・ブランを維持しました。このツール・ド・フランスでの活躍は、アダム・イェーツの名を世界に知らしめる大きなきっかけとなりました。

ちなみに、この事故を教訓に、2017年以降、ツール・ド・フランスのフラム・ルージュは、従来のバルーンアーチとは異なるタイプのものに変更されています。

その後の活躍

2017年には、グラン・プレミオ・インドゥストリア・エ・アルティジャナートで2度目の優勝を飾ります。また、ジロ・デ・イタリアでは、新人賞争いを繰り広げましたが、最終ステージの個人タイムトライアルで逆転を許し、惜しくも新人賞獲得とはなりませんでした。

その後も、アダム・イェーツは数々のレースで好成績を収めています。主な戦績としては、以下が挙げられます。

2014年：ツール・ド・ターキー 総合優勝
2015年：クラシカ・サンセバスティアン 優勝
2016年：ツール・ド・フランス ヤングライダー賞
2020年：UAEツアー 総合優勝
2021年：ボルタ・ア・カタルーニャ 総合優勝
2022年：ドイツ・ツアー 総合優勝
2023年：ツール・ド・ロマンディ 総合優勝、ツール・ド・フランス 総合3位、グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル 優勝
2024年：ツアー・オブ・オマーン 総合優勝、ツール・ド・スイス 総合優勝

アダム・イェーツは、クライマーとしての才能に加え、タイムトライアルやスプリントもこなせるオールラウンダーとしての能力も持ち合わせています。今後の更なる活躍が期待される、注目の選手です。

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