アッカデーミア・デイ・リンチェイ

アッカデーミア・デイ・リンチェイとは

アッカデーミア・デイ・リンチェイ（Accademia Nazionale dei Lincei）は、イタリアのローマにある科学アカデミーです。「オオヤマネコの学会」という意味を持つこのアカデミーは、その名の通り、オオヤマネコの鋭い視力を科学者の目標としています。

現在のAccademia Nazionale dei Linceiは、1946年に数学者のグイド・カステルヌオーヴォらによって再建されました。しかし、その歴史は17世紀にまで遡ります。

17世紀のアッカデーミア・デイ・リンチェイ

17世紀初頭、富裕な名門貴族であるフェデリコ・チェージによって、アッカデーミア・デイ・リンチェイは設立されました。当初のメンバーには、ヨハネス・ファン・ヘーク、フランチェスコ・ステルッティ、アナタシオ・デ・フィリスといった人物が名を連ねていました。その後、1610年にはジャンバッティスタ・デッラ・ポルタ、1611年にはガリレオ・ガリレイが会員となり、アカデミーは科学研究の中心的な存在となっていきました。1613年には、ガリレオの黒点に関する著作を出版するなど、科学の発展に大きく貢献しました。

しかし、1630年にチェージが亡くなると、アカデミーはパトロンを失い、活動は停滞してしまいました。その後、ステルッティによって活動は維持されましたが、1652年にステルッティが亡くなると、アカデミーは消滅してしまいました。

その後の山猫学会

17世紀のアッカデーミア・デイ・リンチェイが消滅した後も、その伝統ある名称は、イタリアの複数の学会に引き継がれていきました。1745年には、ジョヴァンニ・ビアンキが「リンチェイ3回目の復活」という学会を設立しましたが、すぐに消滅しました。1801年には、スカルペリーニ師と数学者のペッスーティがカエターニ公爵の援助を受け、Accademia Caetaniを設立し、これがAccademia dei Linceiの名前を名乗るようになりました。

19世紀初頭のイタリアはフランスの占領下にあり、学会の活動は地域的なものに限られていました。1847年には、ローマ教皇ピウス9世が新リンチェイ教皇庁アカデミアを設立しましたが、1963年にローマ教皇庁科学アカデミーとして改組されました。

イタリア統一運動を経て、1861年にイタリア王国が成立すると、1874年には国立リンチェイ・アカデミアが設立されました。しかし、ファシズムの時代になると、イタリア王立アカデミーが設立され、1939年にはリンチェイ・アカデミアは吸収されてしまいました。その後、1946年に数学者のグイド・カステルヌオーヴォらによって、現在のAccademia Nazionale dei Linceiとして再建されました。

現在のアッカデーミア・デイ・リンチェイ

現在のアッカデーミア・デイ・リンチェイは、イタリアの科学研究において重要な役割を担っています。1986年時点では、180人のイタリア人正会員、180人の外国人正会員、180人のイタリア人准会員で構成されていました。アカデミーは、数学、物理学、自然科学など、幅広い分野の研究を支援しており、イタリアの科学発展に大きく貢献しています。

アッカデーミア・デイ・リンチェイは、その長い歴史の中で、科学の進歩に大きく貢献してきました。その名称は、科学者の鋭い洞察力と探求心を象徴しており、今後もその伝統を受け継ぎ、科学の発展に貢献していくことが期待されています。

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