アッグシリーズ

アッグシリーズ (ACG SERIES)

アッグシリーズは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』で設計されたが、実際の本編には姿を現さない謎多きモビルスーツ群です。本シリーズには、ジオン公国軍に属するアッグ、アッグガイ、ジュアッグの3機種が含まれます。これらは有人操縦式の人型機動兵器の一種であり、特にジャブローの攻略に特化した設計が施されています。さらに、未登場の同時期にデザインされたゾゴックもテーマに含めています。

デザイン・設定の経緯

アッグシリーズに共通する特徴は、総監督の富野喜幸がラフスケッチを作成し、その後メカニックデザインを大河原邦男が手がけた点です。これらのデザインは、放送終了後に日本サンライズが発行した『機動戦士ガンダム・記録全集4』に掲載されました。注目すべきは、当初『記録全集4』では「アッグタイプシリーズ」との名称が使われ、後に「アッグシリーズ」という名称が1999年の書籍『ガンプラジェネレーション』で初めて登場しました。

アッグシリーズのプラモデルは放送直後から発売され、メカニックデザイン企画『モビルスーツバリエーション (MSV)』で詳細な設定が追加されました。このモデルの人気は、ガンプラブームと相まって非常に高く、バンダイの提案で多くのファンの手に渡りました。

設定概要

実際のジャブロー攻略のために設計されたアッグシリーズは、特務用モビルスーツとして位置づけられています。攻撃を機能的に行うために、侵入路を掘削するアッグが先頭に立ち、ジュアッグが中距離から支援し、最後にアッグガイやゾゴックが白兵戦に持ち込むという作戦が立案されました。各機体は静粛性を重視して設計されており、作戦の隠密性が肝要とされました。

この攻撃計画は公国軍内部でも懸念がありましたが、連邦軍との接触により実行の機会は失われたと言われています。曽野由大の漫画では、実際には北米エルズワーズ基地に対する襲撃が描かれていますが、実際には戦闘に参加した記録は残されていません。ただし、マイナーな作品やゲームでの登場はあります。

各機体の概要

アッグ

アッグは、球体に近い体形とホバークラフトによる移動を特徴としています。この特務用機体は水中では使えず、専ら地中の掘削作業に従事します。オプションとして装備した武装型も存在しますが、自衛用としても不十分とされています。

アッグガイ

アッグガイは、ヒート・ロッドを持つデザインで、近接戦に特化しています。宇宙世紀0088年には『機動戦士ガンダムΖΖ』にも登場し、動きに優れた機体として描かれます。

ジュアッグ

ジュアッグは、重火器を搭載した設計が特徴です。実戦に参加した記録はないものの、後の作品では重要な役割を果たします。特に、アニメ『機動戦士ガンダムUC』に登場し、強力な火器を用いて敵機を攻撃します。

ゾゴック

ゾゴックは、ズゴックを元にした格闘戦用MSで、特務用としての機能を持ちます。独特な形状と高性能な武装は、作戦を遂行する上での有用性を備えています。

結語

アッグシリーズは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』が生み出した多彩なモビルスーツデザインの中でも、特に未登場の兵器群としての魅力を持ち続けています。このシリーズは、その特異な設定とデザインの背景から、ファンに愛され続ける存在となっています。

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