アッシャルクル・アウサト

アル＝シャルク・アル＝アウサトについて

『アル＝シャルク・アル＝アウサト』は、1978年に創刊されたアラビア語の日刊高級紙で、公表の拠点はロンドンに位置しています。この新聞は、サウジアラビアのリサーチおよびマーケティンググループによって設立され、後にサウジアラビア王子アフマド・ビン・サルマーンの資金援助を受けて、ほぼ完全に彼の所有となりました。王子の死後には、その子息が社長に就任し、経営が引き継がれています。

この新聞のユニークな特徴として、発行がジェッダやリヤドなどサウジアラビアの主要都市をはじめ、クウェート、エジプトのカイロ、レバノンのベイルート、モロッコのカサブランカ、さらにはフランクフルト、ニューヨーク、マルセイユ、そしてロンドンなど、広範囲にわたる地域で行われている点が挙げられます。特筆すべきは、世界初の衛星技術を用いて発行されたアラビア語新聞であることです。

『アル＝シャルク・アル＝アウサト』は、全世界のアラビア語読者を対象にした有力な汎アラブ紙の一つであり、国際的な視野からの情報提供に努めています。他の汎アラブ紙と同様に、政治や経済、文化に関する様々な話題を取り上げており、特にアラブ地域のニュースに加えて、欧米及び東・南アジアの最新情報も幅広く扱っています。

オピニオン面の存在も特徴的ですが、かつての主要なライバルであった『アル＝ハヤート』紙（2020年に廃刊）に比べて、『アル＝シャルク・アル＝アウサト』の論調は比較的保守的であり、サウジアラビア政府や王室に寄り添った報道が目立っていると指摘されることがあります。この背景には、親会社であるサウジ・リサーチ・マーケティング・グループの影響が強いと思われ、同社は他にも政治関連の高級誌『アル＝マジャッラ』や英字の高級紙『The Arab News』などを発行しています。

このように、『アル＝シャルク・アル＝アウサト』は、アラビア語圏における重要な情報源としての役割を果たしており、政治や経済、国際問題の分析においても信頼を寄せられています。特に地域に特有の視点を提供しつつ、国際的な観点も大切にし、世界中のアラビア語読者に広く情報を届けています。

参考文献

• - William A. Rugh, "Arab Mass Media - Newspapers, Radio, and Television in Arab Politics", Praeger, 2004

外部リンク

• - アル＝シャルク・アル＝アウサト （[アラビア語]]）
• - [サウジ・リサーチ・アンド・マーケティング・グループ （アラビア語）

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