アッシュカリー

アッシュカリー（またはアッシュカリーヤ）は、コソボおよびその周辺地域、具体的にはセルビア、モンテネグロ、アルバニア、北マケドニア共和国などに居住する民族集団です。彼らは主にアルバニア語を話します。

アッシュカリーは、しばしばロマとアルバニア人の混血、あるいはアルバニア化したロマと見なされることがあります。そのため、アッシュカリーが居住する多くの国では、ロマと共に「ジプシー」に相当する言葉で一括りにされる傾向があります。しかし、アッシュカリー自身はロマとの同一視を強く拒否しています。

特筆すべき点として、アッシュカリーの中には、自らをアレクサンドロス3世（大王）のエジプト人部隊の子孫であると主張し、「エジプト人」（エジプシャン）と自称する人々が存在します。彼らは、自らがインドに起源を持つロマとは異なる民族であると明確に否定しています。彼らを本来のエジプト人と区別するために、「コソボ・エジプシャン」と呼ばれることもあります。

アッシュカリーがロマとの同一視を避けようとする背景には、ロマに対する人種差別や民族浄化といった問題があります。ロマと同一視されることで、同様の迫害を受けることを恐れているのです。しかし、残念ながら、アッシュカリーもまた、紛争や差別から完全に逃れることはできませんでした。

アッシュカリーは元来、コソボを主要な居住地域としていました。しかし、コソボ紛争、およびそれに伴うアルバニア系住民などによる民族浄化の影響により、コソボに居住していたアッシュカリーの約半数（正確な統計データはありません）が難民または避難民となり、コソボ国外での生活を余儀なくされています。彼らは、紛争によって故郷を追われ、各地で困難な生活を送っています。

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