アップリンク (映画会社)

有限会社アップリンクの概要

有限会社アップリンク（UPLINK Company）は、日本国内における映画関連の事業を展開する企業です。特に、映画配給業務やミニシアターの運営に注力しており、その活動は国内外のアートシネマの上映に特化している点で際立っています。1995年に設立されたUPLINKは、渋谷を拠点に、多くの映画ファンを惹きつけてきました。

創業者の背景

アップリンクの創業者であり代表の浅井隆は、大阪府の出身です。彼は様々なバックグラウンドを持ち、高校卒業後に上京し、演劇界での経験を積んできました。寺山修司の劇団に参加した彼は、舞台監督として約10年間のキャリアを築きました。その後、映画業界に転身し、1987年には映画配給会社を設立しました。

歴史と発展

1987年の設立以降、UPLINKは独自の映画配信路線を確立しました。初めて手掛けた配給作品はデレク・ジャーマン監督の『エンジェリック・カンヴァセーション』であり、これがUPLINKのスタートを飾る作品となりました。1995年には自社のミニシアター「UPLINK FACTORY」を開設し、国内外の独立系映画やアート系作品に特化した上映を行っています。

その後も、映画製作や映画関連の情報発信、また共同製作にも進出し、2004年には『アカルイミライ』がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されるなど、国際的な評価を得るようになりました。

沿革における主なイベント

UPLINKは1990年代から毎年さまざまな映像作品を国内に配給し、92年には『マルコムX自伝』の出版を行い、次第に多様なメディア事業にも手を広げました。その後、数々の成功作を世に送り出し、ミニシアター文化の拠点としての地位を確立しています。

特に、2006年には渋谷の3つのスクリーンを集約した新しい多目的商業ビルとしてリニューアルし、映画だけでなく飲食も重要な要素と位置づけました。この時期、数々の映画制作をサポートし、2008年には映画『モンゴル』がアカデミー賞にノミネートされるなど、その細やかな配信と製作戦略が光りました。

サービスとプラットフォーム

UPLINKは、映画上映にとどまらず、情報収集を目的とした「webDICE」を運営し、映画業界の貴重なリソースを提供しています。また、2016年にはオンライン映画配信サービス「UPLINK Cloud」をスタートし、より多くの視聴者に映画を届ける新たな試みをしています。

パワハラ訴訟の経緯

最近のUPLINKは、一部で評価されている一方、代表によるパワーハラスメントの問題が浮上しました。2020年6月、元従業員が浅井代表に対する訴訟を起こし、これがメディアで大きく報じられました。この問題は、従業員の権利を巡る重要な課題として注目を集め、業界全体に影響を与えています。

結論

有限会社アップリンクは、国内外の映画文化を促進する重要な存在であり、アートシネマや独立系映画の配信を通じて多くの視聴者に影響を与えています。数多くの映画作品を手掛けてきた歴史と、サービスの多様化への取り組みは、今後の映画業界においても注目され続けるでしょう。

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