アップルブロッサムハンデキャップ

アップルブロッサムハンデキャップは、アメリカ合衆国アーカンソー州オークローンパーク競馬場にて、毎年3月末から4月初旬に開催される、グレード1に相当する重要な競走です。ダート8.5ハロン（約1700メートル）を舞台に、4歳以上の牝馬が競います。アメリカ中西部を代表する強豪牝馬たちが集結し、激しい戦いを繰り広げることで知られています。

このレースで特に有名なのは、アゼリによる3連覇でしょう。2002年から2004年にかけて、アゼリは圧倒的な強さでこのレースを制し、その名を歴史に刻みました。近年でも、レトルスカの連覇や、多くの名馬が勝利を収めています。

しかし、このレースの歴史において、最も記憶に残る出来事として挙げられるのは、2010年の開催でしょう。この年は、前年度のエクリプス賞年度代表馬であるレイチェルアレクサンドラと、前年度のエクリプス賞最優秀古馬牝馬でブリーダーズカップクラシック優勝馬であるゼニヤッタという、当時最強の2頭による夢の対決が実現する可能性がありました。

オークローンパーク競馬場はこの期待に応えるべく、レースの施行条件を大幅に変更することを決定しました。レース名は「アップルブロッサム招待」と改められ、距離は8.5ハロンから9ハロン（約1811メートル）に延長。賞金総額は50万ドルから500万ドルへと10倍に増額されました。さらに、ハンデ戦から、全馬123ポンド（約55.8kg）の定量戦へと変更されました。出走頭数も10頭に制限されました。

ただし、レイチェルアレクサンドラとゼニヤッタのどちらかが出走登録後、出走をキャンセルした場合、賞金総額は例年通りの50万ドルに戻り、両頭が出走登録しなかった場合は、負担重量も変更される予定でした。GI優勝馬は123ポンド、GI優勝馬を除く重賞優勝馬は120ポンドとなり、出走頭数制限も撤廃される予定でした。

レイチェルアレクサンドラ陣営は調整の遅れを理由に出走を躊躇していましたが、開催日を1週間遅らせるという条件を提示されたことで、最終的に両陣営が出走の意思を表明しました。しかし、レイチェルアレクサンドラは前哨戦での敗戦後、出走回避を表明。結局、ゼニヤッタを含む5頭での競走となりました。このレースでは、ゼニヤッタが圧勝し、その強さを改めて世界に示しました。

このように、アップルブロッサムハンデキャップは、歴史と伝統に彩られた、アメリカ競馬を代表する重要なレースです。数々の名馬が栄光を掴んできたこのレースは、これからも多くの競馬ファンを魅了し続けるでしょう。

近年の勝ち馬は以下の通りです。

2024年: Adare Manor
2023年: Clairiere
2022年: Letruska
2021年: Letruska
2020年: Ce Ce
2019年: Midnight Bisou
2018年: Unbridled Mo
2017年: Stellar Wind
2016年: Forever Unbridled
2015年: Untapable
2014年: Close Hatches
2013年: On Fire Baby
2012年: Plum Pretty
2011年: Havre de Grace
2010年: Zenyatta (9ハロンの別定重量で施行)
2009年: Seventh Street
2008年: Zenyatta
2007年: Ermine
2006年: Spun Sugar
2005年: Dream Of Summer
2004年: Azeri
2003年: Azeri
* 2002年: Azeri

(参考: equibaseのApple Blossom Handicap歴代優勝馬一覧)

もう一度検索