負担重量

負担重量の概要

競馬における負担重量とは、競走馬が競走中に背負う必要のある重量を指します。これは騎手自身の体重や、騎手が着ている勝負服、プロテクター、鞍等の馬具を含みます。ただし、ヘルメットや鞭、番号ゼッケン、ゴーグルなどは含まれません。日本の[[競馬]]では、負担重量は現在キログラム単位で表示されていますが、以前は斤（きん）という単位で表記されており、これが斤量（きんりょう）とも呼ばれる理由です。斤は約0.6キロに相当します。イギリスやアメリカの競馬では、ポンドやストーンが用いられています。

負担重量の規定

競走において、公表される負担重量は、実際に計量した重量とは異なることがあります。例えば、日本の中央[[競馬]]では、負担重量から保護ベストの標準的な重量に相当する1キロが減じられます。また、負担重量が規定の範囲に満たない場合は、重りを付けて調整することが求められます。逆に、負担重量を超えた場合には、騎乗できない旨の決定がなされ、騎手の乗り替わりが強制されますが、超過が規定の範囲内であれば、裁決委員の許可を得てそのまま騎乗を続けることが可能です。

ばんえい競走での負担重量

ばんえい競走では、「ばんえい重量」という馬が曳くソリの重量と騎手の体重が設定されています。ばんえい競走では、騎手重量に対して調整が行われます。実際に出走する際の負担重量は、これらの要素によって影響を受けます。

負担重量の決定方法

負担重量を決定する方法は主に二つあります。ひとつは全ての出走馬に均等な条件を設定し、競争馬の年齢や性別によって負担重量を定める方法、これを馬齢重量戦または定量戦と呼びます。もう一方は、競走馬間の勝利の可能性を均等にするために、強い馬と弱い馬の間にハンデキャップを設ける方法です。このハンデキャップを用いるのが別定戦またはハンデキャップ競走です。

日本における負担重量の制度

日本の[[競馬]]には、いくつかの負担重量に基づく競争体系が存在します。代表的なものには、以下の3つの制度があります。

1. 馬の年齢によるもの（馬齢重量）
2. ハンデキャップに基づくもの（別定戦）
3. 年齢、性別、収得賞金等によって決定するもの（定量）

具体的には、馬齢重量戦では、馬齢によって負担重量が規定されます。一方、別定戦では、その馬の獲得した賞金や過去の成績に応じて加算重量が設定されます。

馬齢重量戦

馬齢重量戦は、馬齢重量表に基づいて負担重量が年齢と性別によってのみ決められます。2000年までの古い表記では、5歳以上の馬に対する設定がありましたが、現在では2歳および3歳の競走限定で行われています。2023年には負担重量が引き上げられ、2歳戦で1キロの増加が適用されました。さらに、2024年度からはこの制度に一部改正が加えられる予定です。

別定戦

別定戦は、馬の性別・年齢だけでなく、その馬が獲得した賞金や勝利数によっても加算重量が設定されます。これにより、出走馬が公平に競争できるように配慮されています。また、特定の競走では、基準重量が設定されることもあります。

定量戦

定量戦は、負担重量が馬齢や性別のみで決定される競争で、加算重量は設定されません。このため、これらの競走では特定の年齢馬に優遇措置が採られることもあり、ある年齢の馬々を揃えて競争が行われることが多いです。

ハンデキャップ戦

ハンデキャップ戦は、全出走馬のタイム差を縮めるために、ハンデキャッパーによって個別に負担重量を設定します。これにより、各競走馬が公平に競えるように配慮されています。

付加的な重量設定

騎手や馬の能力差を考慮して、セックスアローワンスや南半球産馬向けの負担重量調整が行われることもあります。また、各競走には最低負担重量が設定されていることもあるため、騎手は自身の体重を維持する必要があります。これらの制度は騎手の健康や競走馬にかかる負担の軽減を目指しています。

注意点

負担重量が適正に遵守されているかどうかは、競走中に前検量および後検量を通じて管理されます。競走馬は競争前日に指定された時間に前検量を受け、出走時の負担重量を測定されます。このように、競走の公正を保つために様々なルールが定められています。

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