アドバンスト・プレイスメント

アドバンスト・プレイスメント（AP）プログラムについて

アドバンスト・プレイスメント（AP）プログラムは、アメリカの高校生に大学初級レベルのカリキュラムと試験を提供する、高大接続に特化した早期履修プログラムです。このプログラムは、非営利団体「カレッジボード」によって1955年から運営されており、その目的は、学習意欲の高い学生に高度な教育を提供することです。

歴史

APプログラムの始まりは、第二次世界大戦後の教育改革の一環にあります。フォード財団により設立された教育委員会がワーキンググループを立ち上げ、初期の研究はケニオン・カレッジのゴードン・チャルマーズ学長の下で進められました。この研究をもとに、1952年に「学校と大学における一般教育」の報告書が発表されました。この報告書では、高校生が大学レベルのカリキュラムを履修することによる単位認定を推奨していました。

1955年には、初めて10科目のAP試験が実施され、その後もプログラムは拡充されていきました。2006年には受験者数が100万人を越え、2022年にはさらに増加しました。テスト期間は毎年5月に設定され、約10日間行われます。

APプログラムの概要

APプログラムには、38の異なるコースがあり、英語、数学、科学、歴史、言語など多岐にわたる分野がカバーされています。特に注目すべきは「AP日本語と日本文化」のコースで、日本の文化に関心がある生徒にとって重要な選択肢となっています。また、このプログラムを履修することにより、大学入学時に有利に評価されるといったメリットも存在します。

スコアと単位認定

APプログラムを履修した生徒は、5月の初旬にテストを受け、成績は5段階で評価されます。スコアが3以上の場合には、一部の大学でクレジットとして認識される可能性がありますが、高評価を求める大学では4以上を要求することが一般的です。

APキャップストーン

2014年から新たに導入された「APキャップストーン」プログラムは、APセミナーとAPリサーチの2つのコースを必須とし、さらに他の4つのAPコースを履修する必要があります。このプログラムは、学ぶことの深さを重視し、学生の思考力や研究スキルを養うことを目的としています。

米国外での評価

APプログラムはアメリカの大学だけでなく、ヨーロッパの大学でも評価されています。特にイギリスやオランダの大学では、APコースでの一定のスコアが受験資格に影響を与えるため、国際的な学びへのステップとしても重要な役割を果たしています。

このように、APプログラムは高校生にとって、大学への進学を視野に入れた重要な教育チャンスを提供しており、教育機関や学生たちからの信頼を集め続けています。

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