アドリアーノ・マローリ

アドリアーノ・マローリ（Adriano Malori、1988年1月28日 - ）は、イタリアのパルマ出身の元プロロードレース選手です。タイムトライアルを得意とし、その実力はアマチュア時代から際立っていました。

輝かしいアマチュア時代

2007年には、イタリア選手権U23個人タイムトライアルで優勝。翌2008年には、ロードレース世界選手権U23個人タイムトライアルでも見事優勝を果たし、欧州選手権U23個人タイムトライアル、イタリア選手権U23個人タイムトライアルでも優勝するなど、圧倒的な強さを見せつけました。
2009年には地中海競技大会個人タイムトライアルで優勝しました。

プロとしての活躍

2010年、マローリはランプレ＝ファルネーゼ・ヴィーニ（現 ランプレ・メリダ）と契約し、プロとしてのキャリアをスタートさせます。同年、バイエルン一周で総合2位に入り、ツール・ド・フランスに初出場を果たしました（総合170位）。
2011年には、セッティマーナ・インテルナツィオナーレ・ディ・コッピ・エ・バルタリで区間優勝（個人タイムトライアル）し、総合5位。さらに、イタリア選手権個人タイムトライアルで優勝しました。

2012年のジロ・デ・イタリアでは総合68位、世界選手権個人タイムトライアルでは10位という成績を残しました。2013年には、セッティマーナ・インテルナツィオナーレ・ディ・コッピ・エ・バルタリで再び区間優勝（個人タイムトライアル）を果たし、バイエルン一周では総合優勝と区間優勝（個人タイムトライアル）を飾りました。

2014年、モビスター・チームに移籍。ツール・ド・サンルイス、ティレーノ～アドリアティコでそれぞれ区間優勝（個人タイムトライアル）、ルート・デュ・スュドでも区間優勝を果たします。同年、イタリア選手権個人タイムトライアルでも優勝し、ブエルタ・ア・エスパーニャでは区間2勝（チームタイムトライアル、個人タイムトライアル）を挙げ、敢闘賞も獲得しました。

2015年も好調を維持し、ツール・ド・サンルイス、ティレーノ～アドリアティコ、シルキュイ・ド・ラ・サルトでそれぞれ区間優勝（個人タイムトライアル）しました。また、イタリア選手権個人タイムトライアルでも優勝し、ツール・ド・フランスでは総合107位、チーム総合1位に貢献しました。ツール・デュ・ポワトゥー＝シャラントでは総合2位、区間優勝（個人タイムトライアル）を果たし、世界選手権では個人タイムトライアルで2位、チームタイムトライアルで3位に入りました。

落車事故と苦難、そして引退

2016年、ツール・ド・サンルイスでシーズンインしましたが、第5ステージで前輪のクラックが原因で落車し、頭部を強打して3日間の昏睡状態に陥るという重傷を負いました。シーズン後半にグランプリ・シクリスト・ド・ケベックで復帰するもDNF。その後も数レースに出走しましたが、完走は1レースのみでした。

2017年には、2つのステージレースに出走しましたが、いずれも第1ステージでリタイア。同年7月10日、現役引退を発表しました。

アドリアーノ・マローリは、その卓越したタイムトライアル能力で数々の勝利を飾っただけでなく、重傷からの復帰を目指す不屈の精神でも多くの人々に感動を与えました。彼の功績は、ロードレース史に深く刻まれています。

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