モビスター・チーム

モビスター・チーム：輝かしい歴史と数々の偉業

モビスター・チームは、スペインを拠点とするUCIワールドチームに登録されている自転車ロードレースチームです。エウセビオ・ウンスエがゼネラル・マネージャーを務めています。その歴史は長く、前身チームを含めると、現存するUCIワールドチームおよびUCIプロチームの中でも最古参に位置付けられます。

栄光の歴史：数々の伝説的勝利

チームの前身であるレイノルズチーム時代には、ペドロ・デルガドがブエルタ・ア・エスパーニャで2度の総合優勝（1985年、1989年）、ツール・ド・フランスで1度の総合優勝（1988年）を達成するなど、輝かしい実績を残しました。その後、スポンサーがバネスト（信用銀行）へと移行すると、ミゲル・インドゥラインがツール・ド・フランスで5連覇（1991年～1995年）、ジロ・デ・イタリアでも2連覇（1992年、1993年）という驚異的な偉業を成し遂げました。さらに、1998年にはアブラハム・オラーノがブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を果たしています。2005年にはUCIプロツアーが発足し、モビスター・チームの前身チームは創設メンバーとして名を連ねました。

スポンサーシップは時代とともに変化を遂げました。2004年にはバレアレス諸島州政府がスポンサーに加わり、2005年にはバネストがスポンサーを降り、ケス・デパーニュがサブスポンサーに就任。2006年にはケス・デパーニュがメインスポンサーに昇格し、2007年には単独スポンサーとなりました。しかし、2011年にはケス・デパーニュがスポンサー撤退。その後、スペインの大手通信会社であるテレフォニカがスポンサーとなり、チーム名は現在のモビスター・チームとなりました。

チームの進化：機材と技術革新

モビスター・チームは、長年に渡り、ピナレロ社のフレームとカンパニョーロ社のコンポーネントという組み合わせを愛用してきました。特に、ミゲル・インドゥラインのツール・ド・フランス5連覇のうち2勝目（1992年）から長きにわたってこの組み合わせがチームを支えました。（一時、ピナレロ社の姉妹ブランドである「オペラ」を使用していた時期もありました。）しかし、2013年にピナレロ社とのパートナーシップを解消。2014年からは、カンパニョーロ社のコンポーネントと共にキャニオン社のフレームを使用するようになりました。

チーム発足から37年間もの間、カンパニョーロ社のコンポーネントとホイールを使用し続けましたが、2019年シーズンをもって契約を終了。2020年シーズンからは、アメリカのコンポーネントメーカーであるSRAMと2年間の契約を締結し、ホイールもSRAM傘下のZippに切り替えました。ブレーキシステムも、カンパニョーロ時代のキャリパーブレーキから、SRAMへの変更に伴い油圧ディスクブレーキへと進化を遂げました。

輝かしい実績：数々のグランツールでの活躍

モビスター・チームは、ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャといったグランツールをはじめ、世界各地のレースで数々の勝利を収めてきました。ここでは、2014年から2022年までの主な実績を抜粋して紹介します。各年の詳細な成績は、チームの公式ウェブサイトなどを参照ください。

2014年: ナイロ・キンタナによるジロ・デ・イタリア総合優勝、アレハンドロ・バルベルデによるフレッシュ・ワロンヌ優勝など。
2015年: ナイロ・キンタナによるティレーノ〜アドリアティコ総合優勝、アレハンドロ・バルベルデによるフレッシュ・ワロンヌとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ優勝など。
2016年: ナイロ・キンタナによるブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝、アレハンドロ・バルベルデによるフレッシュ・ワロンヌ優勝など。
2017年: ナイロ・キンタナによるティレーノ〜アドリアティコ総合優勝、アレハンドロ・バルベルデによるフレッシュ・ワロンヌとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ優勝など。
2018年: アレハンドロ・バルベルデによる世界選手権ロードレース優勝など。
2019年: リカルド・カラパスによるジロ・デ・イタリア総合優勝など。
* 2020年～2022年: 各グランツールでチーム総合時間賞を獲得、さらに数々の区間優勝や個人タイトルを獲得しています。

モビスター・チームは、長い歴史の中で数々の名選手を輩出し、常に世界のトップレベルで戦ってきました。今後も、革新的な技術と戦略、そして優れた人材によって、世界の自転車ロードレース界をリードしていくことでしょう。

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