アナウンス部

アナウンス部の概要

アナウンス部とは、日本の放送事業者におけるアナウンサーが所属する部署です。この部門の名称は、各放送局によって異なることがあります。「アナウンス室」や「アナウンサー室」、「アナウンスセンター」などと呼ばれることが一般的ですが、部門名として「アナウンス局」は民間放送とNHKのいずれにも存在しません。また地方局の場合には、アナウンス部自体がないこともあります。

NHKのアナウンス部

NHKにおいては、主に東京・渋谷に位置する「アナウンス室」があり、東京勤務の多くのアナウンサーがここに所属しています。また、ラジオに専念するアナウンサーは「NHKラジオセンター」に、そして新しく採用されたアナウンサーの研修を行う「NHK放送研修センター・日本語センター」にも所属することがあります。特にこの研修センターでは、アナウンサーが「話しことば講座」の講師を務めることも。さらに、スポーツ中継を担当するり、多くの場合は「NHKグローバルメディアサービス」という関連会社に出向するアナウンサーも存在します。

地方局の映像メディア全般では、報道や制作、アナウンスの部署を一つにまとめて「放送部」と呼ぶケースが多く、アナウンサーもその中に属しています。

民間放送のアナウンス部

民間放送局においても「アナウンス部」という専門の部署がありますが、この部門では「部長」や「デスク」など、アナウンス業務に直接関与しないスタッフが事務業務を行っている場合も多く見られます。大きな局では、アナウンサーは番組のスケジュール管理や外部との連絡なども担当しています。

在京局の特徴

在京キー局では、主に編成局に動く組織にアナウンス部が所属しています。多くの局が「アナウンス部」という名称を使用していますが、例えばTBSでは「アナウンスセンター」と呼ばれており、フジテレビは「アナウンス室」となっています。

また、TBSのアナウンス部は、設立当時からラジオ部門に位置付けられており、後に各分野に専門アナウンサーが配属されるようになりました。しかし1980年代後半には、報道総局の下に再編され、現在では「総合編成本部 アナウンスセンター」となっています。この移行は企業体制の変化に伴うもので、現在の形式に至っています。

テレビ東京と他局のアナウンス部

テレビ東京では1980年代後半に「アナウンス室」という呼称を一時廃止し「パーソナリティ室」という名称に変更しました。その後、1990年代後半には再び「アナウンス室」を設置し現在の名称に至っています。

ラジオ単営局の状況

ラジオ単営の局の場合、TBSから分社化されたTBSラジオは、基本的にTBSテレビのアナウンサーと共有存在します。文化放送のアナウンサーは、以前アナウンス部を持たなかったが、最近では「放送センター」などと変遷を経ながらアナウンス部を復活させました。

地方局のアナウンス部

地方局においては、設立背景によりそれぞれ異なりますが、「報道局」または「編成局」にアナウンス部が存在するのが一般的です。しかし、アナウンサーが報道やディレクターの業務も兼務する場合も多く見られます。特に小規模な地方局では、単一の役割に特化せず多岐にわたる業務を担当することが一般的です。

例えば、北海道放送の場合は、テレビの進展に伴いアナウンス部が設立され、その後一度消滅したものの再設立されました。また、びわ湖放送にはアナウンサーが不在で、他の職員がアナウンスを行っているケースもあります。

このように、アナウンス部の構造は放送局ごとに異なるものの、アナウンサーとしての業務は、局において重要な役割を担っています。

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