アナ・イバノビッチ

アナ・イバノビッチ：華麗なるテニスキャリア

アナ・イバノビッチ（Ana Ivanović）は、1987年11月6日、セルビアのベオグラード生まれ。元プロテニス選手で、2008年の全仏オープン女子シングルスで優勝し、世界ランキング1位にも輝いた、セルビアを代表する女子テニス選手の一人です。同じくセルビア出身のエレナ・ヤンコビッチとともに、セルビアのテニス界を牽引しました。

幼少期とプロ転向

5歳でテレビでテニス観戦をしたことがきっかけでテニスに興味を持ち、モニカ・セレシュに憧れてテニスを始めました。2003年8月にプロに転向し、下部組織の大会で経験を積みます。2004年5月には、日本の岐阜県で開催されたカンガルーカップ国際女子オープンテニスと福岡国際女子テニスで2週連続優勝を果たし、才能の片鱗を見せました。

WTAツアーでの活躍

2005年1月、全豪オープン直前のキャンベラ大会でWTAツアー初優勝。全豪オープンでグランドスラム本戦デビューを果たし、3回戦まで進出しました。同年、全仏オープンではベスト8に進出。2006年のウィンブルドンでは4回戦に進出し、ロジャーズ・カップでは決勝でマルチナ・ヒンギスを破り、ツアー2勝目を挙げました。

2007年はイバノビッチにとって飛躍の年となります。カタール・テレコム・ドイツ・オープンで優勝し、世界ランキングを自己最高の8位に上げ、トップ10入りを果たしました。全仏オープンでは準決勝でマリア・シャラポワを破り決勝に進出。決勝ではジュスティーヌ・エナンに敗れ準優勝に終わりましたが、ウィンブルドンでも準決勝に進出するなど、目覚ましい活躍を見せました。

グランドスラム優勝と世界ランキング1位

2008年全豪オープンでは、決勝でマリア・シャラポワに敗れ準優勝。しかし、続く全仏オープンでは、決勝でディナラ・サフィナを破り、グランドスラム初優勝を果たしました。この優勝により、イバノビッチは世界ランキング1位の座を獲得。セルビア人女性として初の快挙を成し遂げました。

その後

全仏オープン優勝後は、右手親指の故障などもあり、スランプに陥ります。世界ランキング1位の座も、わずか2か月後にはエレナ・ヤンコビッチに明け渡すこととなりました。2010年、2011年にはコモンウェルス・バンク・トーナメント・オブ・チャンピオンズで連覇を果たし、復活の兆しを見せましたが、以前のような圧倒的な強さを取り戻すことはできませんでした。

2016年7月には、サッカードイツ代表のバスティアン・シュバインシュタイガーと結婚。同年12月28日、手首と足指の怪我を理由に現役引退を発表しました。

プレースタイルと人物像

イバノビッチは、身長186cmの恵まれた体格から繰り出される、破壊力のあるフォアハンドと、両手打ちのバックハンドを武器とする選手でした。また、その美貌と明るい性格で、世界中のファンから愛されました。

主な戦績

WTAツアーシングルス：15勝
グランドスラム優勝：1回 (全仏オープン2008)
* 元世界ランキング1位

アナ・イバノビッチは、セルビアのテニス界に大きな足跡を残し、多くの人々に感動を与えました。彼女の功績は、これからも語り継がれるでしょう。

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