モニカ・セレシュ

モニカ・セレシュ

モニカ・セレシュ（Monica Seles）は、1973年12月2日、ユーゴスラビアのノヴィ・サドで生まれたハンガリー人の女子プロテニス選手です。現在はアメリカ国籍を持ち、フロリダ州サラソタを拠点にしています。彼女は時折「セレス」と呼ばれ、左利きであり、両手打ちのフォアハンドとバックハンドを得意としています。その強烈なショットと正確なコントロールは、彼女の最大の特徴です。

経歴のスタート

1989年にわずか15歳でプロとしてのキャリアをスタートしたセレシュは、すぐにその才能を発揮しました。その年、アメリカのヒューストンで行われた大会でクリス・エバートを破り、WTAツアー初優勝を果たし、続く全仏オープンでは準決勝まで進出。特に1990年の全仏オープンでは、シュテフィ・グラフを決勝で7-6, 6-4で下し、16歳6ヶ月という年齢でオープン化以降の最年少優勝者となりました。この記録は今でも全仏オープン女子シングルス史上の最年少優勝記録として残っています。

世界一への道

1991年3月11日には、史上最年少の17歳3ヶ月で世界ランキング1位に登り詰め、グラフが保持していた連続世界1位保持記録を止めました。この期間、彼女は全仏オープン、全豪オープン、全米オープンでの連覇を達成し、1990年から1993年までが彼女の絶頂期でした。

衝撃的な事件

しかし1993年に衝撃的な事件が起きました。4月30日、ドイツのハンブルクで開催されたシチズンカップの準々決勝中、暴漢に背中を刺されるという事件が発生。この出来事はスポーツ界全体に衝撃を与え、セレシュは2年半もの間試合から遠ざかることになります。犯人はグラフの熱心なファンを自称し、セレシュを攻撃することでグラフが再び1位になれると信じ込んでいたとのこと。

復帰への挑戦

1994年にアメリカ市民権を取得した後、1995年8月にカナダオープンで復帰を果たし、準決勝でサバティーニを、決勝でクッツァーを下し優勝しました。翌全米オープンではグラフに敗れましたが、その実力に衰えは見られませんでした。1996年には全豪オープンでピバリィの勝利により、復帰後初の4大大会制覇を達成し、通算9回の優勝を収めました。

その後のキャリア

彼女のキャリアはその後も続きましたが、ライバルたちの台頭やけがに悩まされ、4大大会のタイトルから遠ざかります。1998年の全仏オープンが最接近の機会となりましたが、決勝でサンチェスに敗北し、4大大会の決勝戦からは事実上の引退となりました。2003年の全仏オープン後、公式戦から姿を消し、2008年に正式な引退を表明。その後はテニス番組での活動や執筆を通じて、新たなキャリアを築いていきました。

業績の評価

彼女の活躍は、テニス界に多大な影響を与えました。全豪オープンでの3連覇や全仏オープンの最年少優勝など、数々の記録を打ち立て、2009年には国際テニス殿堂入りも果たしました。セレシュは、スポーツ選手としての業績と並んで多様な活動で注目を集め続けています。

もう一度検索