アニエス・ベー

アニエス・ベー（agnès b.）こと、アニエス・トゥルブレは、1941年フランス・ヴェルサイユ生まれのファッションデザイナーです。彼女が手掛けるファッションブランド「アニエス・ベー」は、そのシンプルで機能的なデザインで世界的に知られています。

経歴

アニエスは、弁護士の娘として生まれ、美術館のキュレーターを目指してヴェルサイユ美術学校に進学しました。17歳で編集者のクリスチャン・ブルゴワと結婚し、長男を出産しますが、19歳で離婚。その後、雑誌「ELLE」の編集者として子ども向けファッションを担当しました。退社後は「ドロテビス」に2年間勤務し、フリーのデザイナーとして「ピエール・ダルビー」などの仕事に携わりました。

1975年、自身のブランド「アニエス・ベー」を立ち上げ、パリのレ・アール地区に最初のブティックをオープン。「ベー」というブランド名は、最初の夫ブルゴワの頭文字に由来します。1980年にはニューヨークに2号店を出店し、その後、オランダ、イギリス、日本、香港、スイスなど、世界各地に店舗を拡大しました。私生活では2度の離婚を経験し、3人の男性との間に5人の子供をもうけています。

アニエスはチャリティー活動にも熱心で、日本赤十字社、エイズ撲滅活動、サラエヴォやコソボへの支援などを行ってきました。阪神・淡路大震災の際には、Tシャツの販売収益を支援活動に充てました。また、海洋環境調査を行うタラ財団の主要な支援者でもあります。

映画界にも関わりが深く、自身の映画製作会社「Love Streams Productions」を設立。2013年には、自ら監督した映画『わたしの名前は…』を発表。同作はヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、東京フィルメックスでも特別招待作品となりました。

ブランド

「アニエス・ベー」は1975年にパリで誕生し、1980年代から世界展開を開始しました。現在では、パリ本社に加え、日本、香港、中国、シンガポール、台湾、アメリカ、イギリスに子会社があります。

婦人服、紳士服、子供服、雑貨、化粧品、香水など幅広いアイテムを展開。流行に左右されないシンプルで機能的なデザインが特徴で、ブランドのロゴはトカゲです。

主なブランドラインは以下の通りです。

agnès b. FEMME（ファム：レディス）
agnès b. HOMME（オム：メンズ）
agnès b. ENFANT（アンファン：子供服）
to b. by agnès b（トゥービー バイ アニエスベー）
agnès b. VOYAGE（ボヤージュ：バッグ）
agnès b. PARIS
アニエスベージャパン

日本での展開

日本においては、1983年12月にフランスのC.M.C S.A.と日本のサザビー（現・サザビーリーグ）が合弁で株式会社アニエスベーサンライズを設立しました。1984年には東京・青山に1号店をオープンし、その後、全国の百貨店などに店舗を拡大しました。2001年には42店舗を展開しています。2005年3月、サザビーはC.M.C S.A.との合弁契約を解消し、アニエスベーサンライズはC.M.C S.A.の完全子会社となっています。

書籍

アニエス・ベーに関する書籍として、以下のものがあります。

『agnès b. STYLISTE』 青幻舎、2016年


アニエス・ベーは、ファッションデザイナーとしてだけでなく、映画監督、慈善活動家としても多岐にわたる才能を発揮しています。その独自の世界観は、多くの人々に支持されています。

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