アニパロコミックス

アニパロコミックスとは

『アニパロコミックス』（略称APC）は、1982年から1993年までの期間に、みのり書房が出版していた隔月刊の漫画雑誌です。この雑誌はアニメ雑誌「月刊OUT」の臨時増刊号として始まり、人気アニメや漫画のキャラクターを使ったパロディ作品やギャグ漫画が主な特徴でした。

特徴と内容

アニパロコミックスの掲載作品は、当時の人気アニメ・漫画を元にした作品が多く、元キャラクターの名前や特徴をそのまま使用していました。しかし、このような作品は単なるパロディに留まらず、独立したジャンルとして存在していたため、ライセンス許可を得ずに制作されていました。主に女性向けの作品が多く、特に同人誌の要素が強く見られました。

作中には例えば藤田わかの『世紀末翼伝説』のように、複数のアニメキャラクターが登場するドタバタギャグが描かれることもありました。また、巣田祐里子の『Go! WEST』は、本誌において人気を博し、実質的な看板作品として多くの読者に愛されました。この作品は他の作品のパロディ要素を含みながらも、独自性を高めていました。

加えて、毎号読者からの投書コーナーや企画コーナーも設けられており、『あなたもマンガ家になれるかな？』などの企画が読者参加型の内容にしていました。

雑誌の歴史

『アニパロコミックス』は「月刊OUT」の1982年7月号臨時増刊号からスタートし、1987年には独立ブランドとして定期刊行が始まりました。1988年には、同誌のスピンオフである「アニパロコミックスJunior」も発行されるなど、関連雑誌の発行が続きました。その後もスピンオフや特別号が発行されていましたが、1993年には全ての発行が終了しました。

休刊の理由として、みのり書房の経営問題や編集者間の対立、著作権の管理強化などがあげられており、特に著作権の厳格化が影響したとの見方もあります。多くの作品が単行本未収録のまま終息していきました。

読者と社会的影響

『アニパロコミックス』が持つ文化的な影響は大きく、1980年代から1990年代にかけて、特に「美少年アニメ」を題材にした二次創作物が急増し、それらは同人誌即売会で人気を集めていました。これにより出版社が二次創作を取り扱うスタンスが変わり、ますます多様な作品の流通が見られました。

後継の発行物

休刊後、元編集長によって『and NOW』という雑誌が発行され、アニパロコミックスに登場した作品の続編が集められましたが、正式な創刊には至らず、1997年以降は刊行ペースが低下し、最終的には2002年に終了しました。

執筆陣

アニパロコミックスでは数多くの作家が活躍しました。潮藍は「マンガの描き方教室」を執筆し、他にも多様な作品が登場しました。江口勇や潮田弘子、浪花愛など、各作家が独自の視点でパロディ作品にチャレンジしていました。このように多彩な執筆陣が集まったことで、作品の質やバラエティに富んだ内容が生まれました。

アニパロコミックスは、その独特で豊かな文化を築くとともに、時代の流れに影響を与え続けた雑誌でありました。

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