月刊OUT

月刊OUTについて

『月刊OUT』（げっかんアウト）は、1977年5月号から1995年5月号まで、みのり書房が発行していた日本初のアニメ雑誌です。B5判で、創刊当初から多岐にわたるサブカルチャーを扱い、特にアニメに対する独自の視点を提供しました。

創刊の背景とテーマ

創刊号は1977年3月に発売され、その後『オカルト時代』の休刊によって生まれました。『月刊OUT』は、若者文化をアウトサイダー的な視点で捉えることをテーマに掲げ、当初は毎号異なる判型で発行されました。創刊号は芳しい売れ行きではありませんでしたが、第2号で『宇宙戦艦ヤマト』の特集が大ヒットし、アニメ路線への方向転換を促しました。当時のアニメはマイナーな存在でしたが、これを機にアニメというジャンルが押し上げられることになります。

読者との関わり

月刊OUTは読者の投稿を多く取り入れた点が特徴で、「ファンロード」と並ぶ投稿主体の雑誌として知られていましたが、OUTは特に文章ネタの投稿が中心で、イラスト主体の他誌と異なります。読者層は比較的高年齢で、そこから派生した「アニパロ」というパロディ文化が根付いていきました。さらに、読者同士は「アウシタン」と名乗り、全国各地で集会を開くなどの連帯感も生まれました。

ただし、常連メンバーの固定化が新規読者を遠ざけ、内輪ネタが増えてしまうという弊害も見られました。これが読者層の高年齢化を加速させた一因とも言えるでしょう。

特徴的な内容と座談会

月刊OUTは、特に評論やアニメ映画の評価、さらには定期的な座談会を掲載しており、1985年の日本アニメ大賞の主催にも関与しました。また、1986年には宮崎駿のアニメ業界に対する厳しい意見を掲載するなど、業界に対する真摯な姿勢を見せていました。

こうした真面目な内容に加え、パロディ文化を楽しむ企画も多く、硬軟のバランスが取れた雑誌としての魅力を持っていました。

歴史と進化

創刊から発行されるまでの歴史を振り返ると、数多くの特集が組まれ、時には大きな増刷を引き起こすケースもありました。『宇宙戦艦ヤマト』特集はその一例であり、判型がB5に固定されたのもこの時期です。また、1980年の『機動戦士ガンダム』のセイラ・マスのヌードピンナップイラストが話題を集めたのも記憶に新しいです。このように、アニメ文化の発展と共に月刊OUT自体も成長を遂げていきました。

最終号とその後

1995年5月号をもって月刊OUTは休刊となり、みのり書房も解散しましたが、その後も特定の作品や企画に関する特集号が刊行されています。2019年には『宇宙戦艦ヤマト2202』とのコラボによる特集号が発行され、月刊OUTの名を冠したコンテンツが継続的に支持されていることが伺えます。

まとめ

月刊OUTは、日本のアニメ文化の萌芽を支え、多くのクリエイターたちに影響を与えた歴史的な雑誌であったと言えるでしょう。現在でも、その名残や影響を感じることができる場面も多く、アニメファンにとっての重要な存在であり続けています。

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