アニマル・キングダム

アニマル・キングダム（Animal Kingdom）

『アニマル・キングダム』は、2010年にオーストラリアで制作された犯罪ドラマ映画で、監督と脚本をデヴィッド・ミショッドが手がけています。この作品は、1988年に起こったメルボルンでの警官2名射殺事件をもとに、ペッティンギル家の実際の犯罪歴に着想を得ています。映画は、危険な犯罪一家の一員として迷走する17歳の少年ジョシュア・コディの視点から物語が展開されます。

あらすじ

物語は、ジョシュアが母の死をきっかけに、母方の祖母である“スマーフ”のもとに身を寄せることから始まります。しかし、スマーフとその3人の息子たちは、パワフルな犯罪ネットワークの一員であり、強盗や薬物取引に明け暮れています。ジョシュアは、自らが置かれた厳しい状況を知ることになり、やがて彼の運命が大きく揺れ動く事態に直面します。

ある日、コディ一家の親しい仲間であるバズが警察に射殺される事件が発生します。これにより、長男ポープは復讐を誓い、弟たちと共に警察に対する凶暴な奇襲を決行します。この一連の暴力事件により、警察はコディ家を追い詰め、ジョシュアは様々な選択を迫られます。

ジョシュアはポープに命じられた盗品の車が使用されたことに気づきますが、刑事のレッキーによる巧妙な尋問を交わし、ポープとその弟ダレンは証拠不充分で釈放されます。一方で、次男のクレイグは警察に追い込まれ、命を落とします。

事態が進展する中、ジョシュアの恋人ニコールが、ポープに目を付けられます。彼女が持っている情報を理由にポープはニコールを犠牲にし、ジョシュアは恐怖にかられて警察に逃げ込みます。この決断が、彼の人生にさらなる影響を及ぼすことになるのです。

キャスト

• - ジョシュア・“J”・コディ - 演: ジェームズ・フレッシュヴィル

コディ家の孫息子。

• - ジャニー・“スマーフ”・コディ - 演: ジャッキー・ウィーヴァー

コディ家の女家長であり、ジョシュアの祖母。

• - アンドリュー・“ポープ”・コディ - 演: ベン・メンデルソーン

凶暴な長男。

• - ダレン・コディ - 演: ルーク・フォード

弟のなかで最も気弱なキャラクター。

• - ネイサン・レッキー - 演: ガイ・ピアース

恐れている刑事。

制作背景

本作は、実際に起こった事件に基づいており、監督のミショッドはメルボルンの地下社会への興味から脚本を執筆し、製作チームと共にフィードバックを重ね完成させました。映画は過去の事件を1つの物語として再構築し、観客に深い感情を呼び起こします。

公開は2010年に行われ、特に米国においても高く評価され、批評家たちから絶賛を受けています。特にジャッキー・ウィーヴァーの演技が注目され、数々の賞にノミネートされました。

評価と受賞歴

『アニマル・キングダム』は、その独特なストーリーテリングとキャストのパフォーマンスによって評価されています。評価サイトRotten Tomatoesでは、数多くの肯定的なレビューを受け、批評家からは「オーストラリア映画界が提供できる最高の作品の一つ」と評されています。また、2010年にはアカデミー賞助演女優賞やゴールデングローブ賞にノミネートされるなど、数々の評価を得ました。

この映画は、家族における忠誠心と罪の重さ、そして自己の選択がどれほど影響を与えるのかを考えさせる作品として、多くの観客に強い印象を残しています。

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