アニマル球場

アニマル球場

『アニマル球場』は、眉月はるなによる日本の漫画作品であり、1970年1号から13号まで『週刊少年ジャンプ』に連載され、後にジャンプコミックスとして上下2巻にまとめられました。

概要

この作品は、元読売ジャイアンツの選手が失敗や挫折を経て、不良たちを集めてプロチームに挑む姿を描いています。大乃木は、復讐を胸に秘めて若者たちを鍛え、プロ野球の強豪チーム「アニマルズ」を作り上げます。彼らには特別な能力は与えられていないものの、努力と情熱をもって成長し、最終的には大リーグへの挑戦も視野に入れています。

あらすじ

元読売ジャイアンツ選手の大乃木は、試合中にデッドボールを受けて失明し、野球から離れることを余儀なくされます。そんな彼は、復讐のために全国を放浪し、チームを結成するための若者を探し始める。最初に出会ったのは、彼を恐喝しようとした青年ケントでした。このようにして集まった9人は、みな不良少年でありながらも、彼らはそれぞれに秘めた才能を持っています。

数年後、アニマルズは驚異的な実力を身に付け、正式に試合を申し込むことになります。対戦相手として現れたのは、当時の巨人監督川上哲治の率いるチーム。巨人は二軍選手を出してきましたが、アニマルズは最初の試合中に凡打やエラーを繰り返すものの、土壇場で隠していた実力を発揮し始め、最後には巨人軍を試合放棄に追い込みます。これによりアニマルズは全国的に名を馳せ、さらなる挑戦に燃えていきます。

その後、東西対抗戦で全国の選抜チームと対戦しますが、そこで現れた新たなライバル「ライオン中西」が登場します。この新たな強敵に直面したアニマルズは、ますます厳しい試練に挑むことになります。中西との対戦は、彼らの成長を試す場となり、特に巨人との再戦に向けた思惑が交錯していきます。

アニマル球場

作品中で特に盛り上がる場面では、4番打者ケントの目が光り、彼の心の中に映し出された野獣たちの幻影がグラウンドに現れることがあります。この状況はアナウンサーによって「アニマル球場」と名付けられ、強烈な印象を観客に与えます。このイメージは、試合中に選手たちが見せるパワーの象徴として重要な役割を果たします。

登場人物

アニマルズのメンバーはそれぞれ個性的で、彼らの背景には様々なストーリーが隠されています。大乃木は監督として、選手たちを厳しく指導し、しっかりとした信頼関係を築いています。主力選手であるケントはその魅力的なキャラクターによって、物語の中心的存在となり、他のメンバーとも深い友情を結んでいきます。また、チームのマスコット的存在であるレミは、選手たちとのコミュニケーションや物語の進行において重要な役割を果たしています。

このように、多様なキャラクターと感情のこもったストーリーが展開される『アニマル球場』は、青春や挑戦の意味を考えさせる珠玉の作品です。連載の終わりでは、アニマルズが渡米してニューヨーク・メッツとの対戦を果たすエピソードが加筆され、物語はさらに広がりを見せます。

もう一度検索