アニメーション学科

アニメーション学科とは、大学の芸術系学部などに設置され、アニメーションの理論、歴史、表現方法、そして実制作技術といった幅広い分野にわたる専門的な教育と研究を行う学科を指します。

この分野の教育が本格的に始まったのは比較的新しく、日本国内で初めて4年制大学としてアニメーションに特化した学科を設立したのは東京工芸大学です。同大学が芸術学部にアニメーション学科を開設したのは2003年のことで、日本の高等教育におけるアニメーション教育の先駆けとなりました。

現在では、アニメーションに関連する学科や専攻は全国各地の多くの大学に広がっています。北海道から九州まで、様々な地域に設置されており、その名称やカリキュラムも多岐にわたります。

例えば、北海道では北海道教育大学や星槎道都大学、北海道情報大学などにアニメーションに関連するコースや専攻が見られます。東北地方では東北芸術工科大学、関東地方では東京工芸大学を始め、多摩美術大学、東京造形大学、武蔵野美術大学、デジタルハリウッド大学、宝塚大学、横浜美術大学など、多くの大学がアニメーションや映像、情報デザインといった分野で専門的な教育を提供しています。城西国際大学や尚美学園大学のような私立大学にも関連学科が存在します。

中部地方では、開志専門職大学がアニメ・マンガ学部を設けているほか、金沢学院大学、愛知県立芸術大学、名古屋国際工科専門職大学、名古屋学芸大学、名古屋造形大学など、公立・私立を問わず多様な大学に映像やアニメーション関連の学科や専攻があります。

近畿地方では、京都芸術大学、京都精華大学、立命館大学、大阪芸術大学、大阪成蹊大学、大阪電気通信大学、神戸芸術工科大学、大手前大学、成安造形大学といった多くの大学が、キャラクターデザイン、映像表現、ゲーム&メディアなど、アニメーションと関連の深い教育を行っています。

中国地方では吉備国際大学、倉敷芸術科学大学、東亜大学、九州地方では別府大学、九州産業大学などがアニメーションや映像表現、メディア芸術といった分野の学科を設けています。吉備国際大学にはアニメーション学部も設置されており、専門性の高さがうかがえます。

これらの4年制大学に加え、短期大学においてもアニメーション教育が行われている場合があります。広島県の比治山大学短期大学部には、美術科に映像・アニメーションコースが設けられています。

学ぶ内容は大学や学科によって異なりますが、一般的にはデッサンや色彩といった基礎的な美術教育から始まり、2D/3Dアニメーションの制作技術、絵コンテやレイアウト、演出、編集といったアニメーション制作のプロセス全般、さらにはアニメーション史や理論、著作権に関する知識なども習得します。

アニメーション学科は、メディア学部やイラストレーション、コミック、キャラクターデザイン学科、マンガ学科といった他の芸術・情報系の学科とも関連が深く、相互に影響を与え合いながら発展しています。これらの学科で培われた技術や知識は、アニメーション業界だけでなく、ゲーム、映像制作、広告、デザインなど、幅広い分野で活かされています。

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