アニメV

『アニメV』についての詳細

『アニメV』（AnimeV）は、日本のアニメ雑誌として1985年に創刊されました。この雑誌は、当初『アニメディア』の別冊として位置づけられましたが、その後月刊誌へと昇格し、1998年7月に休刊するまでの間、日本のアニメ文化に貢献しました。

創刊の背景

1980年代半ばの日本において、アニメの情報は主にテレビの放映や映画に依存していました。しかし、VTR（ビデオテープレコーダー）が普及し始めたことで、家庭でアニメを視聴する方法が広がりました。この中で、新たにOVA（オリジナル・ビデオ・アニメーション）という形式が登場し、観客に新しい形のアニメコンテンツを提供しました。

『アニメV』は、こうした新しい潮流に対応する形で、テレビ放映されない作品やOVAを専門に扱うことを目的として創刊されました。これは、当時のアニメ制作のトレンドにおいて重要な役割を果たしました。

進化と変化

創刊当初は隔月刊での発行が行われていましたが、1年後には月刊誌に移行。1990年6月号からはB5版からB5ワイド版にサイズを変更し、誌面を広げました。このように、発行形態の変更や誌面のサイズアップは、読者からの要望にも応える形で行われました。

1980年代後半から1990年代初頭にかけては、OVAが隆盛を極め、誌面も多彩な作品で賑わいました。しかし、次第に作品数が増えるにつれて原作物が増加していき、OVAの小粒化が進行しました。さらに、製作委員会方式の導入により、TVアニメの本数も増加。これにより、OVAの人気は下降に向かい、『アニメV』も徐々にその影響を受けていきました。

編集部とその活動

『アニメV』の編集部は、当初『アニメディア』のメンバーによって構成されていましたが、後に完全に独立していきました。編集部は渋谷区のテナントビルにあり、時には選抜読者との意見交換会を開催するなど、読者から寄せられるリクエストや意見を重視していました。

最終的には編集部が五反田に移転し、数々の著名な編集長がこの誌を支えました。特に忍足恵一や阿久津幸宏が歴代の編集長として功績を残し、彼らは後のアニメ業界にもその影響を及ぼしました。読者の中には、雑誌の投稿を経て現在のクリエイターとして活動している人物も多く存在しました。例えば、竹田裕一郎はイラストの常連投稿者として知られ、現在は脚本家として活躍しています。

終焉と影響

『アニメV』は1998年7月に休刊しましたが、事実上の後継誌として『Looker』が創刊されました。しかし、『Looker』は1年と持たずに活動を終了しました。『アニメV』の影響は、その後のアニメ雑誌やアニメ制作においても色濃く残っています。

このように、『アニメV』は日本のアニメの発展において重要な役割を果たし、多くのファンやクリエイターに愛された雑誌でした。

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