アニー (1982年の映画)

孤児アニーと大富豪ウォーバックスの心温まる物語：映画『アニー』

1982年に公開されたアメリカ合衆国のミュージカル映画『アニー』（Annie）は、ブロードウェイミュージカルを映画化した作品です。世界恐慌による大不況で人々が希望を失いつつあった1930年代のニューヨークを舞台に、孤児院で暮らす11歳の少女アニーの物語が描かれています。

アニーは、赤毛で明るい性格の持ち主。孤児院の厳しい院長ミス・ハンニガンからのいじめにもめげず、いつか両親が迎えに来てくれると信じて、前向きに毎日を過ごしています。小さな女の子が泣いていると、アニーは優しく歌を歌って慰めます。そんなアニーは、ある日、大富豪オリバー・ウォーバックスの秘書グレースに連れられ、ウォーバックスの豪邸に招待されます。

ウォーバックスは、マスコミ向けのPRとして孤児を邸宅に招いたのですが、アニーと過ごす中で、自分が家族の温かさや愛情を知らなかったことに気づきます。アニーの明るさと純粋な心に触れ、ウォーバックスはアニーを養女にしたいと真剣に申し出ます。しかし、アニーは実の両親に会いたいという強い気持ちを抱いており、申し出を断ります。

ウォーバックスの申し出を断られたものの、アニーの強い意志と純粋な心に感銘を受けたウォーバックスは、アニーのために両親探しを始めます。アニーの両親を探し当てた人に高額の報奨金を支払うことを公表すると、ミス・ハンニガンの弟ルースターと彼の愛人リリーが、この報奨金目当てに策略を企て始めます。

映画には、個性豊かなキャラクターたちが登場します。

アニー: 明るく前向きな孤児の少女。彼女の純粋な心と強い意志が物語の中心となっています。
オリバー・ウォーバックス: 冷酷そうに見えて実は孤独な大富豪。アニーとの出会いを通して、家族の大切さを学びます。
グレース・ファレル: ウォーバックスの秘書。アニーを優しくサポートし、ウォーバックスとアニーの間に重要な役割を果たします。
ミス・ハンニガン: 冷酷で自己中心的な孤児院の院長。アニーをいじめるなど、物語の悪役として重要な役割を担っています。
* ルースター・ハンニガンとリリー・レジス: ミス・ハンニガンの弟と彼の愛人で、ウォーバックスの善意を利用しようとする悪巧みを企てます。

映画『アニー』は、豪華なキャストと、チャールズ・ストラウス作曲による魅力的な音楽、そして心温まるストーリーで、多くの観客を魅了しました。アカデミー賞では美術賞と音楽賞にノミネートされるなど、高い評価を受けました。一方で、ゴールデンラズベリー賞にもノミネートされており、評価は様々ですが、時代を超えて愛される名作ミュージカル映画として、多くの人々の記憶に刻まれています。

なお、映画で使用されたウォーバックス邸は、実在する建物で、現在はニュージャージー州のモンマス大学で使用されています。また、ウォーバックス家の運転手役を演じたロジャー・ミナミは、日系人のダンサーで、現在はメキシコで画家として活躍しているという興味深いエピソードも残されています。

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