世界恐慌

世界恐慌

概要

世界恐慌（せかいきょうこう）、または大恐慌（だいきょうこう）は、1930年代にアメリカから発端した深刻な経済危機です。ほとんどの国は1929年から1930年代後半まで続いたこの不況に見舞われ、20世紀でも特に長く、深刻な経済的影響を受けました。日本ではこの時期に起きた不況を昭和恐慌と呼びます。

この恐慌は、1929年のアメリカにおける株価の急落から始まり、特に1929年10月24日の「暗黒の木曜日」として知られる日には、株式市場が大きく暴落しました。この結果、世界の国内総生産（GDP）は約15%も減少し、影響を受けた国々の経済活動は大きく衰退しました。一部の国は1930年代半ばには回復の兆しを見せましたが、多くの国ではその影響が第二次世界大戦終結まで続くことになります。

アメリカの状況

アメリカでは、失業率が最高で23%に達し、一部の国では33%を超えました。また、国際貿易は50%以上も減少しました。特に重工業に依存する都市が大打撃を受け、建設活動がほぼ停止する事態に至りました。一方で、農村地域でも農作物の価格が約65%も下がったことが影響し、第一次産業に依存する地域の過酷な状況を招きました。

世界恐慌の背景

アメリカの好景気と投機熱

1920年代、アメリカは住宅と耐久消費財の需要の高まりを背景に高い経済成長を遂げていました。しかし、過度な投機熱も問題を生み出しました。特に、ダウ平均株価はこの期に5倍に急上昇し、これに伴い小口投資者が増加しました。

この時期、フロリダの不動産バブルも顕著で、気候に恵まれた地域では投資が活発に行われ、土地が過剰に買われていました。このバブルは1926年に崩壊しますが、アメリカ市場にはそれほど影響を及ぼすことはありませんでした。

ヨーロッパとアメリカの関係

アメリカは第一次世界大戦中に連合国に多額の資金を貸し出し、その結果、純債権国としての地位を確立しました。経済拡大に伴い、外国への投資も続きました。しかし、1929年までのアメリカのバブルは崩壊し、経済全体が滞ることで、世界経済も影響を受けることになりました。

暴落とその影響

1929年10月、株式市場が暴落した原因には複数の要因がありました。特に、株価の急落により投資家たちがパニック状態に陥り、資金を引き上げる動きが広まりました。結果として、株価の暴落は全米に広がり、その影響が世界中に波及しました。

特に業界の基盤が脆弱な国々は、ただでさえ低迷していた経済が一層の打撃を受けることとなります。急速に回復策が求められる中、アメリカ政府は金利を引き上げるなどの政策を行いましたが、その結果、多くの国が国際貿易の縮小に見舞われ、経済の更なる悪化が続くことになりました。

各国の対応

アメリカではフランクリン・ルーズベルト大統領がニューディール政策を提唱し、政府主導の経済回復に乗り出しました。これとは対照的に、ヨーロッパ諸国は各自の問題に集中し、特にイギリスは金本位制からの離脱を余儀なくされました。

さらに、他の国々では各国の指導者たちが経済回復に向けて奮闘し、社会主義国であるソ連は逆に経済成長を続けるという状況も見られました。

結論

世界恐慌は1929年のアメリカの暴落から始まり、その後、国際的な経済に深刻な影響を与えました。その影響を乗り越えるため、各国は異なる政策を展開しましたが、完全な回復には長い時間を要しました。この出来事は当時の経済状況や国際関係にも大きな変化をもたらし、現在に至るまで影響を与え続けています。

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