アニ店特急

アニ店特急とは

アニ店特急は、株式会社アニメイトが主催する、コミックマーケット（通称：コミケ）開催に合わせて運行されるバス、およびそのイベント全体の名称です。2007年夏に初めて運行され、2013年まで継続されました。コミケ会場である東京国際展示場から、池袋店や秋葉原店といったアニメイトの主要店舗へ、参加者をダイレクトに送迎するバスサービスとして人気を博しました。

運行概要

基本的には、コミケ会場からアニメイトの店舗への直行便として運行されていましたが、時期や状況によって運行ルートは変更されました。例えば、秋葉原店ではなく新宿店への便が運行されたり、2008年冬には帰省客向けに東京駅便が設定されたり、2012年夏には渋谷店への便も運行されました。2013年冬には秋葉原店便のみが運行されるなど、その時々のニーズに合わせて柔軟に対応していました。

乗車には、事前にアニメイト店舗または通信販売でチケットを購入する必要がありました。

オリジナルDJラジオ

アニ店特急の大きな特徴の一つとして、送迎中に車内で流されるオリジナルDJラジオがあります。このラジオでは、毎回異なるテーマや企画が展開され、移動時間も楽しめるような工夫が凝らされていました。特に人気が高かったのが、『アニメ店長』とのコラボレーションで、主人公である兄沢命斗役の関智一さんが毎回参加していました。さらに、岩田光央さんも2007年冬と2008年夏にゲストとして参加し、ラジオを盛り上げました。

コラボレーション

アニ店特急は、様々なアニメ作品や声優とのコラボレーションも行いました。ここでは、特に注目すべきコラボレーションについて紹介します。

『アニメ店長』との関連

アニ店特急のオリジナルDJラジオ内で放送されるラジオドラマは、多くの場合『アニメ店長』の世界観を舞台としていました。また、『アニメ店長』の原作者であり、キャラクターデザインも担当している島本和彦さんが、アニ店特急の広告デザインを担当しました。

『アニメ店長』の作中にもアニ店特急のようなイベントが登場し、その赤字っぷりがネタにされる一方で、実際に体験した者がその魅力を語るというコミカルな描写もありました。

『らき☆すた』との関連

『らき☆すた』のアニメ版やゲーム版には、『アニメ店長』のキャラクターが登場するなど、両作品の間には以前から関係がありました。2008年夏には、『らき☆すた』で柊かがみ役を演じた加藤英美里さんと、柊つかさ役を演じた福原香織さんがゲストとして参加し、ファンを大いに喜ばせました。

また、過去のイベントでは、『らき☆すた』に登場するアニメイトの店舗を意識したキャラクターが登場したり、ドラマCD版で柊姉妹を演じた声優が別の役で参加するなど、以前から『らき☆すた』との関連性を意識した演出が行われていました。

『スウィートイグニッション』との関連

2008年夏には、『岩田光央・鈴村健一スウィートイグニッション』内でアニ店特急のCMが放送されました。このCMでは、『アニメ店長スウィートイグニッション店長候補生』バージョンと、『仮面ライダー電王スウィートイグニッションイマジンらじお』バージョンが制作されました。前者は、岩田光央さんが演じる山田聖徳と、鈴村健一さんが演じるリュウタ店長（大宮店店長）との攻防を描いた内容で、後者は、鈴村健一さんが演じるリュタロスとピンクラビットイマジンとの対決を描いた内容でした。

『仮面ライダー電王』との関連

アニ店特急には、『仮面ライダー電王』に登場する主要な怪人を演じた声優陣が多く参加しています。これは偶然ではなく、意図的に『電王』を意識したキャスティングが行われたと考えられます。

例えば、関俊彦さん（モモタロス役）や三木眞一郎さん（ジーク役）は、『アニメ店長』にも出演しており、2007年冬には遊佐浩二さん（ウラタロス役）が憑依能力のあるキャラクターを演じました。また、2008年夏のCMでは、鈴村健一さん（リュウタロス役）が憑依能力を持つキャラクターを演じるなど、電王の世界観を意識した演出が随所に見られました。

これらの声優陣の起用により、オリジナルDJラジオでは『電王』の話題で盛り上がることが多く、特に2007年冬は『電王』が最終回を迎えた時期だったこともあり、大きな話題となりました。

モモタロス役を関俊彦さんが担当した理由の一つとして、『アニメ店長』の原作者である島本和彦さんの過去作品で、関さんが主役を務めたことが縁になったというエピソードもあります。

アニ店特急は、単なる移動手段ではなく、人気アニメや声優とのコラボレーションを通して、参加者に特別な体験を提供するイベントでした。その独自の企画とエンターテイメント性は、多くのファンを魅了し、記憶に残るイベントとして語り継がれています。

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