アバイ級コルベット

アバイ級コルベット

アバイ級コルベット（Abhay-class corvettes）は、インド海軍の小型艦で、主に対潜任務を担うために設計されています。この艦級は、ソ連海軍の1241.2P型小型対潜艦に基づいており、ソビエト連邦の設計番号では1241.2PE型として知られています。また、NATOコードネームでは「パウクII型」とも呼ばれています。ネームシップである「アバイ」の名称は、サンスクリット語の「अभय」（「恐れ無き者」を意味する）から取られています。

来歴

1980年代半ば、インド海軍はソビエト連邦から1241RE型の大型ミサイル艇を導入する契約を結びました。この際、同様の設計を基にした小型対潜艦の購入も行われ、これがアバイ級の建造の起点となりました。1241型の大型ミサイル艇は、1987年からヴィール級コルベットとして運用が開始されています。

設計

アバイ級コルベットは、ソ連海軍が運用していた1241.2P型小型対潜艦をベースにした輸出バージョンであり、主にインド向けに設計されています。艦の主船体は軟鋼製ですが、上部構造物と船体内隔壁の一部には軽量で耐腐食性に優れたアルミニウム合金を使用しています。また、上部構造物の長さはオリジナルの1241.2P型よりも延長されています。主機関は熱帯地域の気候に合わせたカスタマイズが施されているため、運用上の信頼性が高まっています。

装備については、大きな変更が行われ、1241.2PE型に搭載されていた400 mmの単装魚雷発射管OTA-40-204が、533 mmの連装魚雷発射管DTA-53に変更されています。この新しい発射管からは、53-65KE対潜魚雷やSET-65Eを発射することができます。さらに、哨戒能力を強化するために、対空および対水上レーダーには大型のMR-352「ポジチーフ-E」が搭載されています。このレーダーは、1241.7型や1241.8型の大型ミサイル艇に搭載されるものとほぼ同様のページです。

アバイ級コルベットは、ソ連時代の末期に8隻が建造され、そのうち4隻がインド海軍向けとなりました。これらはヤロスラーヴリ造船工場で建造され、1989年から1991年にかけて導入されました。ソ連海軍での艦名はMPK-221、MPK-218、MPK-206、MPK-208の4隻でした。

同型艦

この艦級には、他にも各国に輸出された同型艦が存在し、多国籍な運用実績を持っています。それぞれの艦は、任務に応じて装備やシステムが若干異なる場合がありますが、基本的な設計思想は共通しています。アバイ級コルベットは、今後もインド海軍の重要な戦力として活躍していくことが期待されています。

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