対潜艦

対潜艦の概要

対潜艦（たいせんかん）は、主に潜水艦との交戦を目的とした戦闘艦の総称です。この艦船は、ソビエト連邦海軍やロシア海軍で特に重要視されており、さまざまな種類に分かれています。

大型対潜艦の役割

大型対潜艦（Большой противолодочный корабль: BPK）は、主に外洋での攻撃的な対潜作戦を目的とする艦で、艦載機や原子力[[潜水艦]]との協同作戦を行います。このタイプの艦艇は1970年代以降、特にアメリカ海軍の原子力[[潜水艦]]の配備に対抗する形で開発が進められました。

1950年代末にアメリカ海軍が導入したジョージ・ワシントン級原子力[[潜水艦]]は実用弾道ミサイル潜水艦の先駆けであり、これによりソビエト連邦は自国に対する新たな脅威を実感しました。そのため、1961年にソビエト政府は、対潜戦を重視した艦艇の開発方針を決定し、大型対潜艦の建造が進められました。この艦艇は、1等大型対潜艦と2等大型対潜艦に区分され、さまざまなモデルが開発されました。

1等大型対潜艦

1等大型対潜艦は、進んだ技術を持つ艦であり、以下の型が含まれます:

• - 1125型 (計画のみ)
• - 1134型 (クレスタI型巡洋艦)
• - 1134A型 (クレスタII型)
• - 1134B型 (カーラ型)
• - 1155型 (ウダロイ級[[駆逐艦]])

これらの艦は、運用において様々な役割を担っていますが、防空や対潜能力の向上が重視されています。

2等大型対潜艦

2等大型対潜艦には、次の型があります:

• - 56EM型、56M型 (キルディン型)
• - 57A型 (カニン型)
• - 61型 (カシン型)
• - 1135型、1135-M型 (クリヴァク型フリゲート)

これらの艦艇もまた、防衛目的で対潜戦に特化していますが、艦種の分類や役割は艦によって異なります。

小型対潜艦

小型対潜艦（Малый противолодочный корабль: МПК）は、沿岸で防衛的な対潜作戦を行う艦艇で、通常は地上基地から発進する哨戒機や潜水艦と連携して運用されます。これらの艦は西側のコルベットに相当します。

代表的な型には:

• - 204型 (ポチ型コルベット)
• - 1124型 (グリシャ型[[コルベット]])
• - 1241.2P型 (パウク型)
• - 133型 (パルヒム型)

関連艦種

対潜艦とともに、対潜戦を担う艦種も存在します。例えば、対潜巡洋艦（Противолодочный крейсер）は対潜艦よりも強力な航空運用能力を持ち、大型対潜艦と連携して行動します。

大型対潜艦の影響

1960年代から1970年代にかけて、これらの艦艇はソビエト海軍の中核として外洋進出を支えましたが、同時に火力や技術の限界も抱えていました。特に対潜火力やソナーの性能は限界があり、対潜戦能力も制約される状況でした。そのため、この時期には対空や対水上火力を重視した駆逐艦の整備も進められ、軍全体のバランスを取ることが求められました。

他国の対応

アメリカ海軍は、対潜戦の重要性を認識し新たな艦種である対潜巡洋艦や対潜駆逐艦を設立しました。これにより、潜水艦脅威への対処を強化しました。

また、日本では防衛庁海上自衛隊の設立により、対潜護衛艦の役割が重視されるようになり、長期的な防衛計画に基づいて艦艇の増強が進められました。特に対潜護衛艦は、護衛艦隊の中で重要な役割を果たしました。

このように、対潜艦は各国において独自の発展を遂げ、海上戦の中でその役割を大いに発揮しています。

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