アバロン (ボードゲーム)

アバロン：奥深き玉の相撲

アバロンは、61個のマスで構成された六角形の盤上で、2人のプレイヤーが14個ずつの玉を操り、相手の玉を盤外に押し出すことを目指すアブストラクトゲームです。そのシンプルさからは想像できないほどの奥深さが魅力で、「玉による相撲」とも呼ばれています。

ルール

アバロンのルールは非常にシンプルで、数分で覚えることができます。

1. 初期配置: 各プレイヤーは、盤上に14個ずつの玉を配置します。
2. 手番: 黒い玉を持つプレイヤーが先手となり、交互に手番を行います。
3. 移動: 1つの手番で、1個または2～3個の一直線に並んだ玉を、同じ方向に1マス移動させることができます。
4. 押し出し: 自分の玉の数が多い場合、相手の玉を押し出すことができます。具体的には、以下の条件を満たす必要があります。
2個以上の玉を、その並んでいる方向に沿って動かす。
その移動先に相手の玉がいる。
相手の玉の数が、自分の動かす玉の数より少ない。
相手の玉の後ろに空きマス（または盤外）がある。
5. 勝利条件: 相手の玉を6個以上、盤外に押し出したプレイヤーが勝利となります。

棋譜の記録

アバロンでは、手順を記録するために、盤上の各マスに記号が振られています。ヨコの各行はA-Iのアルファベット、左上から右下にかけての行は1-9の数字で表されます。例えば、あるマスが「G5」と表されることがあります。

玉を並びに沿って動かす場合には、「列の最後尾-先頭」を記述します。そうでない場合には、並んでいる玉の位置と最初の玉の移動先を表記します。

引き分け戦略と対策

アバロンでは、負けないように専守防衛に徹することが可能です。例えば、すべての玉の並びを3個以上にすることで、相手に押し出す隙を与えません。しかし、このような防御的なプレイは、ゲームの長期化を招き、面白さを損なう可能性があります。

そのため、一般的なプレイヤー間では、防御的なプレイを避けることが暗黙の了解となっています。しかし、大会などでは、勝利のために防御的なプレイを選択するプレイヤーも存在します。

この問題に対して、以下のような対策が考えられています。

審判による罰則: 大会において、審判が防御的なプレイをするプレイヤーに罰則を与える権限を持つ。
ルール変更: 防御的なプレイがしにくいようにルールを変更する。
* 初期配置の変更: 初期配置を変更し、密集した陣形を作りにくくする。代表的なものとして、「デイジー配置」があります。これは、14個の玉を7個ずつ2ヶ所に分けて配置する方法です。

大会

アバロン単独での世界大会は開催されていませんが、マインドスポーツオリンピアードでは、1997年の第1回大会から採用されています。

1999年からは、ゲームの活性化のために、初期配置が「デイジー配置」に変更されました。

アバロンは、シンプルなルールと奥深い戦略性が魅力のボードゲームです。ぜひ一度、その魅力に触れてみてください。

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