アフガニ

アフガニスタン通貨「アフガニ」：歴史と現状

アフガニスタンで使用されている通貨単位はアフガニ（Afghani、AFN）です。補助通貨単位としてプル（pul）が存在しますが、現在では流通しておらず、最小単位は1アフガニとなっています。

アフガニは1925年、それまで使用されていたアフガン・ルピーに取って代わる形で導入されました。2002年10月7日には、1000旧アフガニを1新アフガニとするデノミが行われ、同時に新紙幣が発行され、ISOコードもAFAからAFNに変更されました。アフガニスタン銀行が発行を担っています。

アフガニスタン紛争と通貨の混乱

ソビエト連邦の撤退後、アフガニスタンでは長年にわたる紛争が続きました。この期間、様々な勢力が独自に通貨を発行したため、アフガニの価値は大きく暴落しました。特に、アフガニスタン・イスラム首長国（ターリバーン政権）時代は深刻で、紙幣の印刷は行われず、以前の紙幣が使用され続けました。

旧アフガニの混乱

新アフガニが登場する以前のアフガニスタンでは、主に2種類の紙幣が流通していました。1つは公式通貨として扱われていた「ダフラティ」で、ラッバーニー政権下で発行されました。ラッバーニー政権崩壊後も、印刷原盤がモスクワに持ち出され、印刷が続けられていました。

もう1つは「ジュンビシ」と呼ばれる偽札で、北部同盟のドスタム将軍派によって大量に印刷されました。これはターリバーン政権の経済を混乱させるための手段として使用されました。ジュンビシはダフラティの半分の価値で取引されることもありました。

ターリバーン政権下では、1米ドルが7万アフガニという高レートになる時期もありました。最高額紙幣が1万アフガニだったため、高額取引では何千枚もの紙幣を一枚一枚確認する必要があり、大きな負担となっていました。

新アフガニと米ドルの併用

デノミによってアフガニの価値は一旦安定しましたが、その後も政治情勢の悪化により不安定な状況が続きました。その結果、市場では米ドルが広く流通し、公式・非公式を問わず使用されるようになりました。

2021年8月、ターリバーン政権が復活すると、国際社会からの経済制裁を受け、アフガニの価値は再び急落しました。ターリバーン政権はアフガニの使用を促進するため、2021年11月3日にはすべての外貨の使用を禁止しました。

アフガニの未来

アフガニの価値は、アフガニスタン国内の政治・経済情勢に大きく左右されます。国際社会との関係、経済制裁の継続や解除、国内でのインフラ整備や経済政策など、様々な要因がアフガニの価値に影響を与えるでしょう。アフガニスタンの経済の安定と発展のためには、通貨の安定も重要な課題です。現在もアフガニの価値は変動しており、今後の動向に注目が必要です。

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