アフリカニス

アフリカニスは、南アフリカを原産とする、原始的な犬種です。パリア犬に似た外見を持ちますが、遺伝的な関係は薄いとされています。犬種名は「アフリカの犬」を意味する「African Canis」を短縮したものです。

歴史

アフリカニスの起源は定かではありませんが、数千年の歴史を持つ犬種として知られています。長い年月をかけてその特徴を確立し、多くのアフリカ原産犬種の祖先となりました。時間をかけて改良され、品種化されていったと考えられています。

半野良犬として生活しながらも、牧羊犬、牧牛犬、猟犬、番犬、そしてペットとして、人々の生活を支えてきました。

しかし、南アフリカへのヨーロッパからの移民の増加とともに、野犬として迫害される時代もありました。その結果、アフリカニスから進化したホッテントット・ドッグが誤って射殺されるという悲劇も起こりました。

現在では、アフリカニスは保護の対象となり、原産地では犬種クラブも発足しています。その活動により、徐々に知名度も向上し、スペインやアメリカ合衆国にも輸出されるようになっています。

特徴

アフリカニスは、原始的な外観を持ちながらも、筋肉質で引き締まった体つきをしています。短毛で、毛色に制限はありません。耳の形にも決まりはなく、尾はゆるい巻き尾や剣尾で、飾り毛があります。また、尾の付け根の外側に黒いマーキングが見られます。

体高は50～60cmで、性格は温厚で忠実ですが、警戒心が強い一面も持ち合わせています。身体能力が高く、病気や寄生虫に対する免疫力も高く、遺伝的な疾患も少ないとされています。原産地では、生きるための知恵を豊富に持っていると言われています。

稀に、背中にリッジ（逆立った毛並み）を持つ個体も存在します。これは、ホッテントット・ドッグや、その子孫であるローデシアン・リッジバックとの関連を示唆しています。

参考
『デズモンド・モリスの犬種事典』（誠文堂新光社）デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年

関連項目
犬の品種一覧
ディンカ・グレイハウンド
バガンダ・ドッグ

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