アフリカ協会 (ロンドン)

アフリカ協会の歴史と影響

アフリカ内陸部探検促進協会、一般的にはアフリカ協会として知られるこの団体は、1788年6月9日にイギリスのロンドンで設立されました。設立の趣旨は、西アフリカの探検、特にニジェール川の源流、および「失われた黄金の都市」とも称されるトンブクトゥの発見にありました。その活動は、ヨーロッパにおけるアフリカ探検の時代の幕開けと位置づけられています。

背景と設立の動機

この時代のアフリカは、特にマリ帝国の影響下で広大な地域を支配しており、トンブクトゥは奴隷と黄金の中継地として知られていました。ヨーロッパ人が新世界を発見したことに刺激を受け、アフリカの地理に対する無知を明らかにするため、多くの探検家たちがアフリカの探求に乗り出しました。特にスコットランドの探検家、ジェームズ・ブルースがエチオピアへの探検を行い、ヨーロッパにおけるアフリカ探険の興味を喚起しました。

1788年、アフリカ協会は、ロンドンの上流階級のメンバーによって設立され、王立協会の会長であるジョゼフ・バンクスがその代表に選ばれました。彼らは当時「暗黒大陸」と称されるアフリカの地理的無知を大きな失敗と見なし、知識を求める欲求と商業的関心から探検の資金を提供することを約束しました。

主要な探検家と彼らの業績

アフリカ協会による最初の探検家はジョン・レッドヤードで、彼はアフリカ探検に選ばれましたが、カイロで病を患い早々に亡くなります。その後、サイモン・ルーカスがトリポリからの探検を試みましたが、部族間の紛争などにより成功には至りませんでした。

1790年にはアイルランド出身のダニエル・ホートンが、ニジェール川を目指す探検を実施。この探索において彼はトンブクトゥへ約800キロメートルの地点に達しましたが、事故に遭って命を落としました。

次に、ムンゴ・パークが主導する探検が行われ、彼はニジェール川に到達することに成功し、その結果、ヨーロッパにおけるアフリカへの知識が大いに広まりました。パークは初めてニジェール川の流れが東向きであることを記録し、さらに多くの探検家がこの地域への関心を高める契機となりました。

継続する探検とロマン

パークの活動の後も探検は続き、フリードリヒ・ホルネマンやヨハン・ルートヴィヒ・ブルクハルトなど、多数の探検家が派遣されましたが、彼らの多くは命を落とし、発見には至りませんでした。特にブルクハルトはホルネマンと同じルートでの探検を果たせませんでしたが、彼の活動もアフリカ協会における研究の一環として重要でした。

しかし、アフリカ協会はいくつかの探検を経て商業的な関心が高まる中で、その役割を政府に移管し、1831年には王立地理学会に統合されることとなります。

アフリカに対する影響

アフリカ協会の活動はトンブクトゥの発見には至らなかったものの、ヨーロッパ人によるアフリカへの理解を深める貴重な情報を提供しました。当時のアフリカに対する認識が単純であった中で、ムンゴ・パークの記録が生み出した知識は、アフリカ人を一つの文化を持つ人間として認識させ、結果的に奴隷貿易の廃止に寄与した点も見逃せません。アフリカ協会のメンバーには、奴隷制廃止論者も多く、彼らの活動はその後の社会運動の礎となりました。

アフリカ協会の探検隊が果たした役割は、アフリカの地理や文化をヨーロッパに伝えるだけでなく、アフリカ人の人間性への理解を深めることにも寄与し、多くの影響を与えたのです。

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