アフリカ開発会議

アフリカ開発会議（TICAD）

アフリカ開発会議（Tokyo International Conference on African Development, TICAD）は、日本政府が主導し、国際連合、国連開発計画（UNDP）、アフリカ連合委員会（AUC）、世界銀行と共同で開催するアフリカ開発をテーマとした国際会議です。

TICADの概要

TICADは、アフリカの開発を促進し、アフリカ諸国と国際社会との連携を強化することを目的としています。1993年に初めて開催され、当初は5年ごと、2013年以降は3年ごとに開催されています。会議では、アフリカの経済成長、貧困削減、持続可能な開発など、幅広い課題について議論が行われます。

TICADの歴史

• - TICAD I（1993年）

- 第1回会議は東京都で開催され、「アフリカ開発に関する東京宣言」を採択しました。

• - TICAD II（1998年）

- 第2回会議も東京都で開催され、「東京行動計画」を採択しました。

• - TICAD閣僚レベル会合（2001年）

- 東京都で開催され、外務大臣が議長を務めました。この会合から世界銀行が共催者に加わりました。

• - TICAD III（2003年）

- 東京都で開催され、「TICAD10周年宣言」を発表しました。

• - TICAD-AATIC（2004年）

- アジア・アフリカ貿易投資会議として東京都で開催され、アジア・アフリカ間の貿易投資促進に関する共同枠組に署名しました。

• - TICAD平和の定着会議（2006年）

- エチオピアのアディスアベバで開催され、平和構築に向けた議論が行われました。

• - TICAD「持続可能な開発のための環境とエネルギー」閣僚会議（2007年）

- ケニアのナイロビで開催され、環境とエネルギーに関する議論が行われました。

• - TICAD IV（2008年）

- 神奈川県横浜市で開催され、「横浜宣言」と「横浜行動計画」を採択しました。日本の途上国支援策やクールアース推進構想が評価され、食料価格の高騰への懸念が示されました。

• - TICAD V（2013年）

- 神奈川県横浜市で開催され、「横浜宣言2013」と「横浜行動計画」を採択しました。アフリカを世界成長の原動力に変容させることを目標とし、5年間で3兆2千億円の資金を官民共同でアフリカに出資することを表明しました。

• - TICAD VI（2016年）

- ケニアのナイロビで開催され、初のアフリカ開催となりました。経済の多角化、医療・保健体制の強化、テロ対策などが議論され、「ナイロビ宣言」が採択されました。

• - 2018年TICAD閣僚会合

- 東京都で開催され、質の高いインフラ協力について議論されました。

• - TICAD VII（2019年）

- 神奈川県横浜市で開催され、今後3年間で200億ドル以上の民間投資を推進することを表明しました。「横浜宣言」では、自由で開かれたインド太平洋構想や質の高いインフラ投資の重要性が強調されました。

• - TICAD VIII（2022年）

- チュニジアで開催され、オンラインも活用されました。日本とアフリカ諸国に加え、国際機関、民間企業、市民社会が参加しました。

• - TICAD 9（2025年）

- 横浜での開催が予定されています。

TICADの成果と課題

TICADは、アフリカの開発支援において重要な役割を果たしてきました。日本のODAや民間投資を通じて、インフラ整備、人材育成、保健医療、農業開発など、多岐にわたる分野で支援が行われています。しかし、アフリカの課題は依然として多く、TICADはこれらの課題解決に向けて、より効果的な支援策を打ち出す必要があります。今後のTICADでは、アフリカ自身のオーナーシップを尊重し、国際社会との連携をさらに強化することで、アフリカの持続可能な開発を支援していくことが期待されます。

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