アディスアベバ

アディスアベバ：エチオピアの首都、アフリカの政治的中心地

アディスアベバ（アムハラ語: አዲስ አበባ Addis_Abeba）は、エチオピアの首都であり、同国最大の都市です。アムハラ語で「新しい花」を意味し、その名の通り、常に変化と成長を続ける都市です。2023年の人口は約394.5万人であり、アフリカ有数の世界都市として、国際的な存在感を高めています。

アフリカの政治的首都

アディスアベバは、アフリカ連合（AU）やアフリカ経済委員会（ECA）の本部が所在し、アフリカの政治的な中心地としての役割を担っています。国際連合からも「アフリカの政治的な首都」と呼ばれており、アフリカの平和と安定、経済発展を支える重要な拠点となっています。

歴史

アディスアベバは、1886年にエチオピア皇帝メネリク2世によって建設されました。皇帝の妃であるタイトゥ・ベトゥルが場所を選定し、避暑地として開発されました。気候が良く、温泉が湧き出て、森林が豊かであったことが、遷都の理由とされています。

1917年にはジブチ・エチオピア鉄道が開通し、アディスアベバとジブチが結ばれました。しかし、1936年には第二次エチオピア戦争でイタリア軍の空爆を受け、一時イタリア領東アフリカ帝国の首都となりました。1941年、イギリス軍の侵攻によりイタリアの占領から解放され、ハイレ・セラシエ1世が帰還し、首都再建が始まりました。

1962年にはアフリカ統一機構（OAU）がアディスアベバで設立され、2012年にはアフリカ連合（AU）の本部が建設されました。この本部建設は中国の資金援助によるもので、当時アディスアベバで最も高い建築物となりました。

地理

アディスアベバは、エントト山の麓、標高2,400mに位置しています。面積は527平方キロメートルで、四方をオロミア州に囲まれた特別市（自治区）です。高地に位置するため、気候は高山気候であり、年間を通して温暖な気候が続きます。

人口

アディスアベバは、人口増加が著しい都市です。1994年には約211万人だった人口は、2023年には約394万人にまで増加しました。今後の人口予測では、2025年に616万人、2050年に1321万人、2075年に2381万人、2100年には3582万人に達すると予測されており、世界有数の巨大都市へと成長することが見込まれています。

交通

アディスアベバは、アフリカの交通の要衝でもあります。ボレ国際空港は、アフリカ各地や世界各国の都市と結ばれており、多くの国際線が発着しています。また、ジブチ・エチオピア鉄道は、アディスアベバとジブチを結び、重要な物流ルートとなっています。

市内交通では、2015年に開通したアディスアベバ・ライトレールが重要な役割を果たしています。また、市内には多くの乗合タクシーやミニバスが運行しており、市民の足となっています。

観光

アディスアベバには、多くの観光スポットがあります。国立博物館や民族博物館では、エチオピアの歴史や文化に触れることができます。ライオンパークやメスケル広場、エントト山やマルカート（東アフリカ有数の市場）なども人気の観光地です。

教育

アディスアベバは、エチオピアの学術の中心地でもあります。アディスアベバ大学は、国内有数の大学であり、多くの学生が学んでいます。

未来への展望

アディスアベバは、急速な経済成長と人口増加を背景に、さらなる発展が期待されています。今後もアフリカの政治、経済、文化の中心地として、重要な役割を果たしていくことでしょう。

友好都市

ベエルシェバ（イスラエル）
ライプツィヒ（ドイツ）

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