アブドゥル・ハリム

アブドゥル・ハリム：インドネシアの政治家、そしてスポーツ振興の立役者

アブドゥル・ハリム（1911年12月27日 - 1987年7月4日）は、インドネシアの政治家であり、第4代首相を務めた人物です。彼の生涯は、政治、医療、スポーツという多岐にわたる分野での貢献によって彩られています。

生い立ちと教育

1911年、西スマトラ州のブキティンギで生まれたハリムは、幼少期にジャカルタへ移り住むことになります。7歳の時、彼は母の従兄弟であり、当時バタヴィア石油会社（現在のプルタミナ）の役員であったアブドゥッラーに引き取られました。アブドゥッラーは、ハリムに恵まれた教育環境を与えることを望み、彼をジャカルタの医科学校へと進学させました。

政治家としての足跡

インドネシアが独立を果たした1945年、ハリムは政治家としてのキャリアをスタートさせます。彼は、インドネシア中央国家委員会議長であったアッサートの下で副議長という要職を務めました。1948年には、モハマッド・ナシールやヨハネス・ライメナと共に、インドネシア共和国臨時政府の設立に深く関与しました。そして、1950年1月から9月にかけて、インドネシア共和国の第4代首相として国政を担いました。

首相退任後、ハリムは医療分野へと転身します。1951年7月からは、RSUP（現在ではDr. Cipto Mangunkusumo Hospitalとして知られています）の院長に就任し、1961年7月までその職を務めました。院長退任後も同病院に留まり、監察官として病院運営に貢献し、1987年にその生涯を閉じました。

スポーツへの情熱

ハリムは、サッカーを愛する人物としても知られていました。彼はプルシジャ・ジャカルタの会長を務めるなど、サッカー界の発展に尽力しました。また、インドネシア・オリンピック委員会の副会長、そして会長（1951年-1955年）を歴任し、1952年にはインドネシア初のオリンピック選手団をヘルシンキオリンピックへと派遣するという偉業を成し遂げました。このオリンピックへの参加は、インドネシアのスポーツ史における重要な一歩となりました。

アブドゥル・ハリムは、インドネシアの政治、医療、そしてスポーツの発展に大きく貢献した人物として、その名が記憶されるべきでしょう。

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