アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー

アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャーの生涯

アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー（Abdul Halim Mu'adzam Shah）は、1927年11月28日にマレーシアのケダ州アロースターで生まれました。彼は、マレーシアの第5代および第14代国王を務めたほか、ケダ州の第28代スルタンでもあります。そのフルネームには、敬称が含まれており、国王としての地位を反映したものとなっていました。彼は、アジア経済研究所が発行する『アジア動向年報』などの文献で「トゥアンク・アブドゥル・ハリム」や「トゥアンク・アブドゥル・ハリム・ムアザム国王」など様々な表現がされています。

経歴

ハリムは1949年8月、ケダ州の王太子に任命されました。1958年7月14日に父王が亡くなると、彼は第28代ケダ州スルタンとして即位しました。その後、1965年9月には第4代マレーシア副王に選ばれ、1970年9月12日には第5代マレーシア国王として即位します。この時の新しい副王は、ケランタン州スルタンのヤヒヤ・プトゥラが任命されました。

ハリムはその後も重要な役割を果たし、2006年には第13代マレーシア副王となり、2011年12月13日に第14代国王として再任されました。彼はマレーシア史上最高齢の国王であると同時に、二度国王になった例は彼が初めてでした。彼の任期は、2016年12月13日、後継のムハンマド5世によって引き継がれました。2017年9月11日に彼が亡くなった際には、ペナン州で政府による弔意の半旗掲揚が行われました。

家族

アブドゥル・ハリムは、1956年にバヒヤ・スルタン妃と結婚し、双子の娘サリナとソラヤ、さらに三女のサフィナズをもうけました。その後1975年には、平民出身のハミナ王妃と新たに結婚しました。2003年にバヒヤ・スルタン妃が亡くなり、2004年にハミナ王妃が正式にスルタン妃としての地位を得ました。

エピソード

彼の生涯にはいくつかの興味深いエピソードがあります。特に高齢になってからの彼は、一般的なイメージとは裏腹に非常に健全であったとされます。例えば、2006年にケダ州のサッカーチームの試合を観戦するためにスタジアムに向かう際、交通渋滞に遭遇したため、1マイル（約1.6キロメートル）以上も徒歩でスタジアムまで移動したという逸話があります。このようなエピソードは、彼の活力と情熱を如実に物語っています。

アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャーの生涯は、王としてだけでなく、一人の人間としての多面的な姿を示しており、マレーシアの歴史に刻まれるべき重要な人物であると言えるでしょう。

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