アプリケーションストア

アプリケーションストアとは

アプリケーションストア（App Store）は、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス向けに、アプリケーションソフトウェア（アプリ）を配信するプラットフォームです。ユーザーは、様々なカテゴリのアプリを検索、ダウンロード、インストールできます。アプリストアは、現代のデジタルライフに欠かせない存在となっています。

アプリケーションストアの仕組み

アプリストアで提供されるアプリは、特定の機能を提供し、特定の端末やオペレーティングシステム（OS）で動作するように開発されています。PC向けのソフトウェアをモバイルアプリに転用することもできますが、機能は限定される場合があります。アプリは、デバイスの画面サイズや解像度に合わせて最適化されており、異なるデバイス間でのデータの同期も可能です。

アプリストアは、アプリの機能や対応デバイス、OSに基づいてアプリを提供します。ユーザーは、アプリの情報やレビューを確認し、気に入ったアプリをダウンロードできます。一部のストアでは、マルウェアからユーザーを保護するため、インストールされたアプリを自動的に削除する機能もあります。

多くのストアでは、アプリの品質を維持するため、運営者が審査を行っています。審査では、アプリのガイドライン（品質管理や検閲）に準拠しているかどうかが確認されます。有料アプリの場合は、売上の一部が手数料として徴収されます。

アプリケーションストアの歴史

黎明期

初期のソフトウェア配布システムとしては、「The Electronic AppWrapper」というシステムがありました。これは、暗号化されたソフトウェアとデジタルメディアを配布するものでした。また、LinuxなどのUnix系システムでは、パッケージマネージャーを使ってソフトウェアを管理していました。パッケージマネージャーは、ソフトウェアのインストール、更新、削除を自動化するツールです。代表的なパッケージマネージャーとしては、APT（Debian）、YUM（Fedora/Red Hat）、Portage（Gentoo）などがあります。

1996年には、SUSE Linuxディストリビューションに「YaST」というアプリケーションリポジトリが搭載されました。Mandriva Linuxには、「Rpmdrake」というGUIフロントエンドを備えた「urpmi」が搭載されました。

1997年には、BeOS向けのサードパーティ製ストア「BeDepot」がスタートしました。BeDepotは、商用アプリと無料アプリの両方を提供し、アプリの更新処理も行っていました。

2002年には、Linspireが「Click'N'Run（CNR）」というストアを立ち上げました。CNRでは、年会費を払えば、ワンクリックでアプリをインストールできました。

2003年には、Handangoがスマートフォン向けにアプリを検索、インストール、購入できるストアを立ち上げました。これにより、PCとの同期なしで、スマートフォンだけでアプリを入手できるようになりました。

2005年には、Nokia 770 Internet Tabletに、アプリのリポジトリにアクセスできるGUIフロントエンドが搭載されました。

Ubuntuでは、2009年に「Ubuntu Software Center」が導入され、2010年には、アプリを購入できるようになりました。

AppleとApp Store

2007年、Appleは初のスマートフォンであるiPhoneをリリースしました。当初、iPhoneはサードパーティ製アプリに対応していませんでしたが、開発者たちは脱獄（jailbreak）という手法で、サードパーティ製アプリをインストールしていました。その後、2008年7月、Appleは「App Store」をオープンし、正式にサードパーティ製アプリの配布を始めました。

App Storeでは、アプリ開発者がアプリを公開し、ユーザーがアプリをダウンロードできます。Appleは、アプリの審査を行い、自社のガイドラインに準拠しているかを確認します。有料アプリの場合、売上の30%をAppleが徴収します。

App Storeの成功により、他のプラットフォームでも同様のストアが登場しました。2008年には、Android Market（現Google Play）、2009年には、BlackBerry App Worldがオープンしました。

2011年には、AppleがMac向けの「Mac App Store」をオープンしました。これにより、Macでもアプリを簡単にダウンロードできるようになりました。

"App Store" 商標問題

「App Store」という言葉は、AppleのApp Storeの登場以降、アプリを配布するプラットフォーム全般を指す普通名称として使われるようになりました。Appleは、「App Store」を商標登録しようとしましたが、他の企業（Amazonなど）が「app store」という言葉を使ったことで、商標権侵害として訴訟を起こしました。しかし、最終的には訴訟を取り下げています。

主なアプリケーションストア

スマートフォン・タブレット向けアプリストア

Google Play: Googleが開発したAndroid向けのストアです。Androidスマートフォンに標準インストールされています。
App Store: Appleが開発したiOS向けのストアです。iPhoneに標準インストールされています。
Amazon アプリストア: Amazonが開発したAndroid向けのストアです。Windows 11でも使用できます。
Huawei App Gallery: Huaweiが開発したHarmonyOS及びAndroid向けストアです。
Galaxy Store: Samsungが開発したGalaxyシリーズに標準搭載されたストアです。

パソコン向けアプリストア

Microsoft Store: Microsoftが開発したWindows向けのストアです。
* Mac App Store: Appleが開発したmacOS向けのストアです。

まとめ

アプリケーションストアは、モバイルアプリの普及を支える重要なプラットフォームです。ユーザーは、様々なアプリを容易に入手でき、開発者は、アプリを配布する場を提供されます。今後も、アプリストアは、私たちのデジタルライフに欠かせない存在であり続けるでしょう。

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