Ubuntuの概要
Ubuntu(ウブントゥ)は、Debian GNU/
Linuxを基にした
オペレーティングシステム(OS)であり、使いやすさを追求した
Linuxディストリビューションの一つです。フリー
ソフトウェアとして提供されており、英国の企業カノニカルが開発と支援を行っています。Ubuntuの開発目的は、最新かつ安定したOSを誰にでも利用できる形で提供することです。
特徴
Ubuntuの主な特徴は、その使いやすさにあります。初めて
Linuxに触れるユーザーでも扱いやすいよう、いくつかの標準的なアプリケーションが組み込まれています。これには、画像編集ツールのShotwell、オフィススイートのLibreOffice、ウェブブラウザのMozilla Firefox、メッセンジャーアプリのEmpathyなどが含まれます。また、数独や
チェスなどのゲームも同梱され、エンターテインメント性も考慮されています。
セキュリティに関しては、特に初めて
Linuxを使う人に配慮し、全権限を持つrootでのログインがデフォルトで無効化されています。これにより、sudoという特権のあるコマンドを用いて管理者権限を取得する仕組みが導入されています。ポートは初期設定で全て閉じており、
セキュリティが高い状態が保たれています。さらに、
アクセシビリティの向上や国際化にも力を入れ、
文字コードとしてUTF-8が標準に採用されています。
名称の「Ubuntu」は南アフリカのズールー語に由来し、「他者への思いやり」という意味があります。この理念を基に、スムーズで親しみやすいユーザー体験を目指しています。現在のユーザーインターフェースは、紫色を基調としたデザインで、イギリスのフォント制作会社Dalton Maagが制作したUbuntu Font Familyが使用されています。このフォントは、Ubuntuが進化する中で、最初のリリースから9.10(Karmic Koala)まで使用されていたUbuntu-Titleフォントから置き換えられました。
デスクトップ環境
Ubuntuの標準デスクトップ環境はGNOMEです。以前は独自のUnityインターフェースを採用していましたが、GNOME 3のリリース後に変更され、Ubuntu 17.10から再びGNOMEが標準となりました。他にもKubuntu(KDE)、Xubuntu(Xfce)、Lubuntu(LXQt)といったさまざまなデスクトップ環境を持つ派生ディストリビューションが存在しています。デスクトップ環境は、APTメタパッケージ機能を用いてサーバーバージョンにも追加できます。
ユーザー評価
インターネット上での調査によると、UbuntuはWebクライアントの中で最も人気のある
Linuxディストリビューションとして知られています。カノニカルによれば、2006年末時点で800万人以上のユーザーが利用しており、
2010年時には1200万超えのユーザーが存在していたとされています。サーバー版においても、多くのプロジェクトで採用されており、特にWikipediaのホスティングを手掛けるWikimedia財団でも利用されています。
歴史と開発
Ubuntuは
2004年10月20日にDebianから派生し、開発が進められてきました。カノニカルのマーク・シャトルワースは、Ubuntu財団を設立し、初期投資を行い、今後の開発とサポートを保証することを目指しています。Ubuntuは、半年ごとのリリースを行い、バージョン番号は公開される年と月に基づいて決定されます。最近のバージョンは動物の名前をアルファベット順にコードネームとして付けていることでも知られています。
サポート体制
Ubuntuでは、暫定リリース版と長期サポート版(LTS)があり、それぞれサポート期間が異なります。LTS版は、通常5年間のサポートが提供され、安定性を求めるユーザーに人気があります。Ubuntu Proという有償サポートプランもあり、拡張
セキュリティメンテナンスやシステム管理ツールを提供している点も特徴的です。
導入と環境
Ubuntuの導入は非常に簡単で、Live DVDやUSBからの起動が可能です。サーバー版はTUIによる導入が行われますが、デスクトップ版ではGUIを通じて直感的に操作できるよう設計されています。多様な
CPUアーキテクチャに対応しており、比較的低スペックなマシンでも運用が可能です。
終わりに
Ubuntuは、初心者から経験者まで幅広いユーザーに対応した使いやすい
オペレーティングシステムであり、オープンソースコミュニティにおいても大きな存在感を持っています。今後のさらなる進化にも注目が集まっています。