アプリケーションパッケージ

macOSのアプリケーションパッケージは、プログラムとそのプログラムが使用するデータ、アイコンなどを一つのフォルダにまとめたものです。この仕組みにより、アプリケーションのインストール、アンインストール、管理が簡単に行えるようになります。単に「パッケージ」と呼ばれることもあり、バンドルの一種として扱われます。

概要

このアプリケーションパッケージの仕組みは、macOSの前身であるNEXTSTEPやOPENSTEPでも採用されていました。また、Classic Mac OS 9でも一部サポートされています（ただし、扱えないパッケージも存在します）。

Finderは、パッケージ内部に配置された「プロパティリスト」と呼ばれるXML形式の設定ファイルに従って、パッケージのアイコンや情報を表示します。これにより、ユーザーはパッケージをあたかも単一のファイルのように認識します。さらに、パッケージの最上位フォルダを開こうとすると、その中に含まれているプログラムが自動的に起動するようになっています。これは、ユーザーエクスペリエンスを向上させるための重要な機能です。

アプリケーションをパッケージ化するためには、Appleが提供している統合開発環境であるXcodeに含まれるPackage Maker (PackageMaker.app) というツールを使用します。作成されたパッケージファイルの拡張子は「.pkg」となります。このツールを用いることで、開発者はアプリケーションを配布可能な形式に容易に変換することができます。

その他の関連情報

マイクロソフトも、Windows 8以降のアプリケーション（Windows ストア アプリ）の開発において、「アプリケーションパッケージ」という用語を使用しています。この概念は、異なるプラットフォーム間でも共通の考え方が用いられていることを示しています。

Unix系のオペレーティングシステムにおけるパッケージについては、それぞれのパッケージ管理システムが詳しい情報を扱っています。これらのシステムは、ソフトウェアのインストール、更新、削除を効率的に行うための仕組みを提供します。

また、ドイツのソフトウェア会社SAPのABAPスタックのシステムでは、プログラムなどの移送対象となるオブジェクトをまとめるために「パッケージ」という概念が使用されています。これは、大規模なシステム開発におけるコード管理を容易にするためのものです。

まとめ

macOSのアプリケーションパッケージは、単にプログラムファイルをまとめるだけでなく、インストールや管理を容易にするための仕組みが組み込まれています。これにより、ユーザーはアプリケーションをより簡単に利用でき、開発者は配布プロセスを効率化することができます。パッケージは、macOS環境におけるソフトウェア配信と管理において、中心的な役割を果たしています。


[外部リンク]
アプリケーションパッケージ - ASCII.jpデジタル用語辞典

もう一度検索