アマウリ・カルヴァーリョ・デ・オリヴェイラ

アマウリ・カルヴァーリョ・デ・オリヴェイラ：異色の経歴を持つストライカー

アマウリ・カルヴァーリョ・デ・オリヴェイラ（Amauri Carvalho de Oliveira, 1980年6月3日 - ）は、ブラジル出身の元サッカー選手。登録名アマウリとして知られています。ポジションはフォワード。

クラブキャリア

ブラジルからイタリアへ渡った当初はホームシックに苦しんだものの、イタリア人女性との結婚が転機となり、現地に溶け込むことに成功します。イタリアでの数シーズンは目立った活躍こそなかったものの、2005-06シーズンにキエーヴォ・ヴェローナで11得点を挙げ、その才能を開花させました。

この活躍が認められ、2006年にはパレルモへ移籍。2007-08シーズンには15得点を記録し、その実績が評価され、2008年5月19日に移籍金1300万ユーロ、アントニオ・ノチェリーノの全保有権、ダヴィデ・ランザファーメの共同保有権との交換トレードで、名門ユヴェントスへの移籍を果たします。本人も「究極の夢が叶った」と語るほどでした。

しかし、ユヴェントスでは2008-09シーズンの前半こそ活躍を見せたものの、後半からは調子を落とし、期待されたほどの活躍はできませんでした。その後も目立った活躍はできず、2011年1月30日にはパルマへレンタル移籍。パルマでは11試合に出場し7得点を挙げ、チームのセリエA残留に大きく貢献しました。

2011-12シーズンにはオリンピック・マルセイユなどからのオファーを拒否し、ユヴェントスに復帰するものの、チームの構想外という扱いは変わらず、背番号も38番に変更となりました。

出場機会を求めて、2012年1月24日にフィオレンティーナへ完全移籍。同年4月7日には、当時首位を走っていたACミラン相手に決勝ゴールを奪う活躍を見せました。

2012年7月2日にはパルマと2年契約を締結し、再びパルマのユニフォームに袖を通します。その後、2014年9月1日にトリノFCへ移籍。

2016年8月9日には、アメリカのフォートローダーデール・ストライカーズへ移籍し、海外でのプレーを経験。2017年2月21日には、同じくアメリカ2部リーグのニューヨーク・コスモスへ移籍しますが、同年5月18日に退団しています。

代表キャリア

ブラジル出身ながら、アマウリはブラジル代表からの招集に応じたことがありませんでした。2009年2月には、負傷したルイス・ファビアーノの代替選手としてブラジル代表に招集されたものの、ユヴェントス側がこれを拒否しています。ブラジル代表への未練を残しつつも、当時プレーしていたイタリア代表としての可能性も考慮し、2010年4月12日にイタリア国籍を取得しました。しかし、自身の不調もあり、2010年南アフリカワールドカップのメンバーには選出されませんでした。

イタリア代表招集を巡っては、イタリア国内で賛否両論が巻き起こりました。伝統的にサッカー強豪国であるイタリアでは、イタリア人のルーツを持たない外国人が代表になることに対する抵抗感が根強く、アマウリの代表入りは大きな議論を呼びました。本人はこの状況に対し強い不快感を示し、「試合前の国歌斉唱では歌わない」と発言しています。

2010年8月10日に行われたコートジボワールとの親善試合で、イタリア代表としてデビューを果たしました。

アマウリは、そのプレースタイル、クラブでの活躍、そして代表選出を巡る議論など、様々な面で注目を集めた選手でした。

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