ニューヨーク・コスモス

ニューヨーク・コスモスについて

ニューヨーク・コスモス（New York Cosmos）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州に拠点を置くサッカークラブで、1970年に設立されました。このクラブは、当初NASL（北米サッカーリーグ）に所属していました。特に1970年代には、一躍スターダムにのし上がり、世界的な知名度を誇る存在となりました。

クラブの創設者はスティーブ・ロスで、彼はその後、タイム・ワーナーの会長に就任します。コスモスはブラジルのサッカーの神様ペレや、ドイツの伝説的選手フランツ・ベッケンバウアーをスカウトし、これらのスーパースターたちの力を借りて、一時代を築き上げました。特に1977年および1978年のリーグ連覇は、クラブの名声をさらに高める転機となったのです。

ペレの引退試合がサントスFCとの親善試合として行われた1977年10月1日は、クラブとリーグの世界的なアピールに大いに貢献しました。さらに、この試合の後、ペレの引退を称えるために日本への遠征も行われ、日本代表との試合も実現しました。

しかし、1980年代に入ると、ワーナー社がオーストラリアのメディア王ルパード・マードックに敵対的に買収される危機や、1983年のアタリショックの影響を受け、経営が縮小されていきました。この影響によって、クラブの戦力は急速に減少し、1984年にはNASLが消滅したことで、クラブも活動を休止することとなります。

活動を一時続けていたインドアサッカーのクラブも、成績不振を理由に1985年に解散。この時期、クラブ名の「コスモス」は、日本語で「国際的」を意味するコスモポリタンに由来し、メジャーリーグベースボールのニューヨーク・メッツの略称「メトロポリタン」からヒントを得たものでした。

2007年には、ニューヨーク・コスモスを題材にしたドキュメンタリー映画「ペレを買った男」が公開され、改めてクラブの歴史が注目されることになります。さらに2010年、ペレが「ニューヨーク・コスモスの復活」と「名誉会長就任」を発表し、新たなチームが誕生しました。この新チームは、元トッテナムの職員であるポール・ケムズリーが設立しました。

新生コスモスは、将来的にMLS（メジャーリーグサッカー）への加盟を目指しており、2011年にはポール・スコールズの引退試合を行い、エリック・カントナをディレクターに迎えるなど、名だたる選手が参加した試合を企画しました。2013年にNASLに新規参加し、初のシーズンで優勝を果たし、プレーオフでも勝利を収めるという快挙を成し遂げました。

2020年より、コスモスはNISA（全国独立サッカー協会）に参加し、新たな歴史を描き始めています。これまでに獲得したタイトルには、北米選手権が5回、NASLのリーグタイトルが2回含まれています。経験豊富な選手たちが揃ったクラブとして、今後の活躍にも期待が寄せられています。

最後に、クラブの平均入場者数は設立当初から一貫して増加傾向にあり、特に1977年には34,142人の観客が訪れました。スタジアムはヤンキー・スタジアムを始め、いくつかの会場で試合を行ってきました。これからもニューヨーク・コスモスの挑戦は続きます。

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