アミューズミュージアム

アミューズミュージアムの歴史と特徴

アミューズミュージアム（英: Amuse Museum）は、東京都台東区の浅草にかつて存在していた私立の美術館です。この美術館は、日本の文化を展示することを目的に、2009年11月1日に開館し、2019年3月31日に閉館しました。運営は大手芸能プロダクションのアミューズが行っており、特に布文化と浮世絵をテーマにした展示が特徴的でした。

設立の背景と所蔵品

どのようにしてこの美術館が誕生したかと言うと、浅草を拠点にした新たなビジネスを模索していたアミューズの会長、大里洋吉氏が青森出身でその地域の民俗学者、田中忠三郎氏の親族または知人であったことがきっかけでした。田中氏が所有する多くの資料を基に、約3万点に及ぶ所蔵品が集められ、その中には国の重要有形民俗文化財である「津軽・南部のさしこ着物」786点も含まれています。実際の展示点数は約1500点であり、様々な文化や歴史を現代に伝える役割を果たしていました。

展示内容と施設

アミューズミュージアムは、元々築43年のビルをリノベーションし、延床面積約2000m²の空間を創造しました。1階部分では和雑貨や伝統工芸品を取り扱うミュージアムショップがあり、2階と3階にはギャラリーと4つの展示室が設けられていました。展示室は以下のように分かれていました。

• - 第1展示室【常設展】BORO: ツギハギを使ったアート「BORO」を展示し、この奇跡のテキスタイルアートに焦点を当てました。
• - 第2展示室【常設展】民具倉庫: 古民具を活用したインスタレーションを展示し、日常生活に根差した文化を体験できます。
• - 第3展示室【常設展】夢の跡: 黒澤明監督の映画『夢』に使用された衣装やパネルを展示することで、映画と文化の融合を楽しむことができました。
• - 第4展示室【特別展】: 布の絵画BOROや浮世絵シアターなど、季節やテーマに応じた特別な展示が行われました。

また、美術館の最上階では和楽器のライブ公演も定期的に開催されるなど、文化の発信地として多様な活動が行われていました。

閉館とその影響

2018年4月、美術館の老朽化を理由に、開館から10周年を迎える2019年3月31日をもって閉館が発表されました。閉館後も展示品は多くのアーティストやデザイナーに影響を与え続けており、特にルイ・ヴィトンやコム デ ギャルソンなど、様々なブランドにも取り入れられました。このようにアミューズミュージアムは日本文化の発信としての役割を終えましたが、その影響は今なお多くの分野に渡っています。私たちが日々接する日本の伝統文化を再考するきっかけを提供したこの美術館の存在は、間違いなく意義深いものでした。

もう一度検索