アミラル・オーブ級装甲巡洋艦

アミラル＝オーブ級装甲巡洋艦について

アミラル＝オーブ級装甲巡洋艦（クルーズ・キュイラッセ - クラス・アミラル＝オーブ）は、フランス海軍によって設計された装甲巡洋艦の艦級です。この艦級は、より古いゲイドン級を基にした改良型として登場しました。主な特徴として、船体の防御力の強化と武装の配置の工夫が挙げられます。特に、16.3cm副砲はケースメイト配置から単装砲塔に変更され、これによって射界の広がりが得られる一方で、排水量が約500トン増加しました。また、艦体の舷側甲板は厚くなっており、副砲のケースメイトも84mm装甲で防護されています。艦名は当時の海相であるイアサント・L・T・オーブに由来します。

艦形

アミラル＝オーブ級の船体形状は、前級と同じく高い乾舷を持つ長船首楼型であり、外洋での凌波性に優れています。艦首部には19.4cmの単装主砲塔が1基前向きに配置されており、艦橋は箱型の形状をしています。その上に二段の見張り所を持つミリタリー・マストが立っていて、上段には探照灯台、下段には4.7cmの機関砲が取り付けられています。

艦橋の背後には4本の煙突が立ち、缶室が前後に分割されています。この配置により、2番煙突と3番煙突の間が広く取られており、その部分には四角形の通風筒が設けられています。煙突の周囲は艦載艇置き場となっており、艦側には片舷8基、計16基の揚収クレーンが配置されて、艦載艇が管理されていました。

艦の後部には簡易的な単脚檣が立っており、その背後にも19.4cmの単装主砲塔が配置されています。副砲については、先述の通り16.3cm速射砲8門のうち4門が単装砲塔に収められており、船体中央に片舷2基ずつ、計4基が設置されています。残りの4門はケースメイト配置で、艦橋の両側と後檣の両側にそれぞれ1基ずつ配置されています。これにより、前方方向と左右方向に合計8門の火力が指向可能です。

同型艦

アミラル＝オーブ級には以下の同型艦が存在します。
1. アミラル＝オーブ（Amiral-Aube）
- 起工年：1899年
- 進水年：1902年5月9日
- 竣工年：1904年4月17日
- 除籍年：1922年、解体処分

2. コンデ（Condé）
- 起工年：1901年3月20日
- 進水年：1902年3月12日
- 竣工年：1904年8月12日
- 除籍年：1933年、標的として処分

3. グロワール（Gloire）
- 起工年：1900年1月10日
- 進水年：1900年3月
- 竣工年：1904年4月28日
- 除籍年：1922年、解体処分

4. マルセイエーズ（Marseillaise）
- 起工年：1900年1月10日
- 進水年：1900年7月
- 竣工年：1903年
- 1925年に砲術練習艦に転用され、1929年に除籍後解体

5. シュリー（Sully）
- 起工年：1899年5月
- 進水年：1901年6月
- 竣工年：1904年6月
- 1905年に座礁事故により処分

関連項目

フランス海軍艦艇一覧

参考図書

• - 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」（Conway）
• - 「Conway All The World's Fightingships 1906-1922」（Conway）
• - 「世界の艦船 増刊第50集　フランス巡洋艦史」（海人社）

外部リンク

• - アミラル＝オーブの説明（アミラル＝オーブの竣工当時の写真、イラスト、武装情報を含む）

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