アミル・アリアックバリ

アミル・アリアックバリ: イランの格闘家の軌跡

アミル・アリアックバリは、1987年12月11日にイランのテヘラン州シャフリヤールで生まれた総合格闘家です。彼のキャリアは、レスリング選手としての耀きあるスタートから始まりました。アリアックバリは、2009年と2010年のレスリング世界選手権で金メダルを獲得し、国際的な舞台で名を馳せました。しかし、彼の道のりは常に順風満帆ではありませんでした。

レスリングの栄光と困難

アリアックバリは、2009年の世界選手権において、グレコローマン96kg級で銅メダルを獲得し、その翌年には堂々の金メダルをつかみました。彼は2032年ロンドン五輪の出場を目指していましたが、ドーピングの疑惑により出場を断念せざるを得ませんでした。そして、2013年には再び就任した世界選手権で金メダルを獲得するも、アナボリックステロイドの陽性反応があったことが発覚し、永久追放とともに金メダルを失うという痛手を受けました。

総合格闘技への転身

2014年、アリアックバリは新たな挑戦を決意し、総合格闘技（MMA）への転身を発表しました。マイク・スウィックの指導の下、タイのAKAタイランドでトレーニングを開始し、2015年の10月31日に総合格闘技デビューを果たしました。彼の初戦では噂通りの活躍を見せ、以降でもその名を知らしめていきました。

RIZINと国際舞台での挑戦

2016年には、日本のRIZINに初参戦し、無差別級トーナメントにおいて目覚ましい成績を収めました。初戦ではジョアン・アルメイダをTKOで下し、続く2回戦ではヒース・ヒーリングに勝利。準決勝でも、のちにBellatorのヘビー級暫定王者となるワレンティン・モルダフスキーを撃破したものの、決勝でミルコ・クロコップに敗れ準優勝となりました。この試合を通じて、アリアックバリは国際都市日本における存在感を一層高めました。

その後もRIZINでの活躍は続き、2017年にはジェロニモ・ドス・サントスにTKO勝ち、タイラー・キングにもKO勝利を収めます。彼の名は日本の格闘技界で不動のものになりつつありました。

UFCとONE Championship

2019年にはロシアのACAから契約解除し、UFCと契約を交わしましたが、2020年8月には契約を破棄。この背景にはアメリカによるイランへの経済制裁が影響しており、ファイトマネーの送金が困難だったためとされています。彼はその後ONE Championshipに移籍し、2021年にはカン・ジウォンとの試合でKO負けを喫しましたが、2022年には元ONEヘビー級王者のブランドン・ヴェラを相手に見事なTKO勝ちを収め、以降の試合では連勝街道を歩んでいます。2024年にはアルジャン・ブラーに勝利し、さらなる飛躍が期待されています。

アミル・アリアックバリは、彼の困難を乗り越えた経験を通じて、今後も多くのファンを魅了し続けることでしょう。

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