アメリカトキコウ

アメリカトキコウ（学名：Mycteria americana）は、コウノトリ目コウノトリ科に分類される大型の鳥類です。南北アメリカ大陸の熱帯・亜熱帯地域に広く分布しており、アメリカのメキシコ湾沿岸から、南はアルゼンチン北部、ウルグアイにまでその生息範囲を広げています。

形態

全長は83cmから114cmに達し、その大きな体躯が特徴的です。頭部と頸部は皮膚が裸出し、黒色をしています。頸部から下の体は全身が白色で覆われていますが、翼を構成する風切羽と尾羽は黒色をしています。嘴と脚も黒色で、全体的にモノトーンでまとめられた色彩が特徴です。

生態

アメリカトキコウは、主に沼地、湿地、干潟などの水辺環境に生息しています。食性は肉食が中心で、魚類、甲殻類、昆虫類などを捕食します。時には植物の種子も食べる事があります。繁殖期には、水辺に近い森林で大規模なコロニーを形成し、集団で繁殖を行います。巣作りは、雄が巣材を集め、雌がそれを使って巣を造ります。一度の繁殖で3個から5個の卵を産み、抱卵期間は28日から32日程度です。抱卵は雌雄共同で行い、雛は孵化後50日から55日程度で巣立ちを迎えます。

人間との関係

北アメリカでは、湿地開発による生息地の減少が、アメリカトキコウの生息数減少の大きな要因となっています。人間活動が、野生生物の生息に大きな影響を与えている一例と言えるでしょう。

参考文献

『世界の動物｜分類と飼育　コウノトリ目+フラミンゴ目』、財団法人東京動物園協会、1985年、49-50頁

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