アメリカン・エレクトリック・パワー

アメリカン・エレクトリック・パワー概要

アメリカン・エレクトリック・パワー（AEP）は、アメリカ国内で電力供給を行う主要な持株会社であり、オハイオ州コロンバスに本拠を置いています。この企業は、11州にわたって事業を展開しており、主に地方の電力会社を傘下に持ち、NASDAQに上場しています（シンボル: AEP）。

沿革

AEPの歴史は、19世紀終わりにさかのぼります。当時アメリカ北西部で事業を進めていたシドニー・Z・ミッチェルが、1905年にゼネラル・エレクトリック社長チャールズ・A・コフィンの紹介でリチャード・ブリード兄弟とハリソン・ウィリアムズと出会い、1906年にAmerican Gas and Electric Company（AG&E）の設立に至ります。ブリードは1910年に社長に就任し、AG&Eは多くの電力会社を所有し、急成長を遂げました。しかし、1935年には公益事業持株会社法の成立により、大量の資産を手放すことを余儀なくされました。

この時期には、AG&Eから分かれた企業が次々と登場し、持株会社の多様化が進みました。第二次世界大戦中も発電所および送電網の整備を続け、1958年には現在の社名に変更しました。その後、1968年にミシガン州で原子力発電所の建設が始まり、1980年代にはコロンバスへの本社移転を果たしました。また、2000年にはテキサス州のCentral and South West Corporationを買収して事業を南部に拡大しました。

2020年には、株式上場先をニューヨーク証券取引所からNASDAQに移しました。

現在の事業展開

現在、AEPは13の地域電力会社を傘下に持ち、特にオハイオ州、テキサス州、ケンタッキー州、バージニア州、インディアナ州が売上の基盤となっています。主な電力会社には、AEP Ohio（オハイオ州）、AEP Texas（テキサス州）、Kentucky Power（ケンタッキー州）、Appalachian Power（バージニア州、ウェストバージニア州、テネシー州）、Indiana Michigan Power（インディアナ州、ミシガン州）、Public Service Company of Oklahoma（オクラホマ州）、Southwestern Electric Power Company（テキサス州、ルイジアナ州、アーカンソー州）があります。

AEPの発電資源の内訳は、約45%が石炭火力発電、LNGを含む火力が70%以上を占めています。一方で、水力や再生可能エネルギーによる発電は16%、原子力発電は7%を占めており、石炭火力依存の割合に対する批判もあります。AEPは、環境への配慮を反映しつつ、再生可能エネルギーへの投資を行うことで、今後は石炭による発電を減少させ、水力や再生可能エネルギーの導入を増やす方向で進めています。

おわりに

持続可能なエネルギーを模索するAEPは、地域社会と環境への貢献を目指して活動を行っています。これからのエネルギー市場の変化を見据え、柔軟な戦略を立て続けています。

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