アメリカ合衆国国防総省

アメリカ合衆国国防総省

アメリカ合衆国国防総省（DoD）は、アメリカの主要な行政機関の一つで、陸軍、海軍、空軍、海兵隊、宇宙軍といったアメリカ軍の組織を統括しています。沿岸警備隊や公衆衛生局士官部隊、海洋大気局士官部隊はその管轄外であり、同省は国内外の安全保障を担う役割を持っています。

概要と歴史

国防総省の本庁舎は五角形の形状をしており、通称「ペンタゴン」として知られています。この建物はワシントンD.C.の近郊、バージニア州アーリントンに位置しています。国防総省の成り立ちは、1944年に遡ります。当時、国防活動の調整の必要性が提案され、1947年に初代国防長官のジェームズ・フォレスタルのもとで国防総省が設立されました。

1949年には、初代の国家軍政省が「国防総省」と改名され、陸海空各軍の統括が行われるようになりました。これにより、国防長官には強大な権限が付与され、アメリカ合衆国の防衛政策が進められることになりました。

国防総省は、国内外の防衛に関わる全ての活動を監督しており、特に2001年の同時多発テロ事件では、ハイジャックされた航空機がペンタゴンに突入するという襲撃を受け、125名の職員が犠牲となる痛ましい事件が発生しました。

組織構成

国防総省の組織は国防長官を頂点に、様々な機関が連携して構成されています。国防長官は大統領によって任命され、国防総省に関する全ての問題の首席補佐官としての役割を担います。また、国防総省は、国防長官府を中心に、統合参謀本部や統合軍、陸軍省、海軍省、空軍省といった各部門から成り立っています。

各省は、独自の長官が任命されることによって運営され、国防長官の指導のもとで各軍種の業務を協力しながら行います。国防長官府は、主要な政策や計画の策定や資源管理などを行う、補佐的な役割を担っており、文民職員によって構成されています。

統合軍と技術開発

国防総省の下に設けられた統合軍は、複数の軍種の部隊を統括し、様々な任務を遂行する能力を持っています。アメリカ軍は、地理的・機能的に役割を分けた11の統合軍により、効率的な運用を行っています。

また、国防総省は技術開発でも重要な役割を果たしており、DARPAなどの機関がインターネットの原型となるARPANETを開発したことでも知られています。GPS（全地球測位システム）も国防総省の研究成果の一つで、最初は軍事用に開発されましたが、現在は民間利用が一般化しています。

アメリカ合衆国国防総省は、国内外の平和と安全を守るために重要な機関であり、その活動は国際社会にも大きな影響を及ぼしています。

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